Not restricted as per special provision A58の意味と記載時の注意点

この記事では
A58の意味について
解説しています。
[prpsay img=”https://stamp.yuubinya.com/wp-content/uploads/2019/10/huki-talk.png” name=”葉書野 ウラ”]「Not restricted as per special provision A58」の意味と記載時の注意点について元郵便局員が解説します。[/prpsay]

Not restricted~とは?

航空貨物輸送において、危険物とみなされるものはIATAの危険物規則書(IATA Dangerous Goods Regulations)に規定されていますが、「Not restricted as per special provision A○○」と記載することで、「特別規定A○○ により制限物品に該当しません」という意味合いになり、航空輸送が可能となります。


A58

「Not restricted as per special provision A58」とは、「特別規定A58:アルコール度数が24%以下の水溶液なので、輸送禁止物品に含まれないものとする。」という意味合いです。

一般的には、化粧品系の商品の発送時に記載されることが多いです。
A58の意味合いと異なる内容品が入っている場合に、「Not restricted as per special provision A58」と記載しても全く意味はありませんのでご注意ください。

参考

「A○○」の部分は特別規定の記号といい、内容品により記載する記号が異なります。
特別規定の記号については、下記の記事を参考にしてください。
元郵便局員が教える!危険物の国際輸送における特別規定と記号一覧


注意点

色々なブログで「Not restricted as per special provision A58 は魔法の言葉」「Not restricted as per special provision A58 さえ書けば大丈夫」という情報が紹介されていますが、これは大きな間違いなので注意してください。

Not restricted as per special provision A58は魔法の言葉でもなければ、書くだけで税関を通過できるものでもありません。
あくまで内容品を説明するものであって、商品内容がA58と全く関係なければ意味はありませんし、実際の内容品と書類が異なれば虚偽申請になります。

IATAの危険物規則書(IATA Dangerous Goods Regulations)は、日本郵便が制定しているわけではありません。
また、2019年4月1日に「商法及び国際海上物品運送法の一部を改正する法律」が施行され、改正後の商法に荷送人による危険物に関する通知義務が法定されていますので、必ず危険物の通知が必要となり、荷送人の責任で発送しなければなりません。

参考

危険物の通知義務については、下記の記事を参考にしてください。
荷物を送る際に行う荷送人による危険物の通知義務について


まとめ

海外に荷物を送る場合、国ごとに禁制品が異なりますので、せめて発送前に自分で調べた上で荷造りをしてください。
引受の際、伝票から気になる部分があれば細かく確認しますが、目にX線が完備されているわけではありませんので、伝票に記載されていないことは確認できません。

郵便局は万能ではありませんので、「送れないものがあれば郵便局が教えてくれる」というサービスはありません。
海外に送る荷物の送料は高いので、差出人返還となればものすごく損をしますし、送料の返金もありませんのでご注意ください。

国際郵便、国際小包、EMSなど、海外に送る荷物は何が起こるかわかりません。
日本では当たり前のことが、海外ではあたりまえではありません。

内容品以外にも強めのダンボールを使う、ストレッチフィルムで全体を包む、こわれものは避けるまたは頑丈に包むなどの工夫が必要です。

手紙や荷物を取扱う意識も国が違えば全然違いますし、防犯的な面でも全く日本とは違いますので、梱包もやりすぎるくらいで丁度いいです。

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