元郵便局員が教える!危険物の国際輸送における特別規定と記号一覧

この記事では
特別規定の記号について
解説しています。
[prpsay img=”https://stamp.yuubinya.com/wp-content/uploads/2019/10/huki-talk.png” name=”葉書野 ウラ”]危険物を航空輸送する場合に定められている特別規定の記号について元郵便局員が解説します。[/prpsay]

特別規定とは?

特別規定(Special Provisions)が適用される貨物は、危険物申告が不要となります。
特別規定が適用される場合は、IATA/DGR(8.2.6)の規則に基づき MAWB にNot restricted, as perSpecial Provision Axxxと記入する必要があります。
※MAWB=航空会社が発行する航空貨物の受取証

「Not restricted, as perSpecial Provision Axxx」の「Axxx」の部分は特別規定の記号といい、内容品により記載する記号が異なりますので、特別規定の記号の種類と意味について解説します。
※A=AIRの意味です


特別規定の記号一覧


  • A1
  • 当該物件の旅客機による輸送は、国土交通大臣の輸送承認を要する。

  • A2
  • 当該物件の輸送は、国土交通大臣の輸送承認を要する。

  • A3
  • 化学的又は物理的特性が、当該分類番号又は区分番号の欄に掲げる危険性を有せず、かつ、その他の分類又は区分に該当する危険性がない場合は、輸送禁止物件に含まれないものとする。

  • A4
  • 1)蒸気の吸入毒性の等級が1の液体は、輸送を禁止する。
    2)粉じん又は煙霧の吸入毒性の等級が1の液体であつて、等級が1の容器及び包装等に従い、かつ、一外装包装物当たり最大正味量が5リットルを超えないものは、旅客機以外の航空機で輸送することができる。

  • A5
  • 1)吸入毒性の等級が1の固体は、旅客機による輸送を禁止する。
    2)等級が1の容器及び包装等に従い、かつ、最大正味量が15kgを超えないものは、旅客機以外の航空機で輸送することができる。

  • A6
  • 経口毒性試験、経皮毒性試験及び吸入毒性試験を実施し、等級を決定すること。

  • A8
  • 砕けにくい錠剤状で輸送されるものは、等級3とする。

  • A9
  • アルコール分70容量%以下のアルコール飲料であつて、5リットル以下の容器に入れられたものを貨物として輸送する場合は、輸送禁止物件に含まれないものとする。

  • A10
  • ケイ素の含有率が30質量%未満又は90質量%以上のものは、輸送禁止物件に含まれないものとする。

  • A11
  • 濃度が50mg/kg以下のものは、輸送禁止物件に含まれないものとする。

  • A12
  • 硫化アンチモン及び酸化アンチモンであつて、ヒ素の含有率が0.5質量%以下のものは、輸送禁止物件に含まれないものとする。

  • A13
  • 錯フェリシアン化物及びフェロシアン化物は、輸送禁止物件に含まれないものとする。

  • A15
  • マグネシウムの含有率が50質量%以下のものは、輸送禁止物件に含まれないものとする。

  • A16
  • 水酸化ナトリウムの含有率が4質量%以下のものは、輸送禁止物件に含まれないものとする。

  • A17
  • 当該物件の輸送は、国土交通大臣の輸送承認を要する。

  • A18
  • 塩化第一水銀及び硫化第二水銀は、輸送禁止物件に含まれないものとする。

  • A19
  • 火薬類により作動するものは、一台当たりの作動薬包(区分番号が1.4であつて、隔離区分がC又はSのものに限る。)の総量が3.2g以下のものに限ること。

  • A20
  • 輸送中は、直射日光を避け、風通しが良く、全ての熱源から隔離された場所に積載すること。また、第17条で規定する書類には、その旨を記載すること。

  • A21
  • 湿式電池、ナトリウム電池、リチウム電池を動力源とする車両及び湿式電池又はナトリウム電池を動力源とする機器であって、これらの電池を装着した状態で輸送されるものに限る。また、次に掲げる物件を輸送する場合にあっては、次の規定に従うこと。
    1)リチウム電池を動力源とする機器は、リチウム金属電池(装置に組み込まれたもの)又はリチウム金属電池(装置とともに包装されたもの)並びにリチウムイオン電池(装置に組み込まれたもの)又はリチウムイオン電池(装置とともに包装されたもの)として輸送すること。
    2)内燃機関及び湿式蓄電池、ナトリウム電池又はリチウム電池を動力源とするハイブリッド自動車は、車両(引火性ガスを燃料とするもの)又は車両(引火性液体を燃料とするもの)として輸送すること。
    3)燃料電池を動力源とする車両及び機器は、車両(引火性ガスを燃料とする燃料電池を動力源とするもの)、車両(引火性液体を燃料とする燃料電池を動力源とするもの)、燃料電池機関(引火性ガスを燃料とするもの)又は燃料電池機関(引火性液体を燃料とするもの)として輸送すること。

  • A22
  • 当該物件の分類は、危険物輸送に関する国連勧告に従って試験を実施し決定すること。

  • A24
  • 成型爆薬及び導爆線に含有する火薬の質量は、油井ジェットせん孔器一台当たり10kg以下とすること。

  • A25
  • ペンタクロロフェノールは、国連番号3155として輸送すること。

  • A26
  • 1)非引火性かつ非毒性の液化ガスが12kg未満のもの又はアンモニア溶液(国連番号2672)が12リットル未満のものは、輸送禁止物件に含まれないものとする。
    2)当該機器には、空調機、内部で食品やその他の物件を低温に保つための目的で設計された機械又はその他の応用機器を含むものとする。

  • A27
  • 「その他の有害物質」とは、機内で漏出した場合に、著しい不快感を与えることにより航空機乗組員及び客室乗務員の職務の遂行に支障を及ぼすこととなる麻薬性、有害性等の特性を有する物質をいう。

  • A28
  • ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム塩(二水和物)は、輸送禁止物件に含まれないものとする。

  • A29
  • パラシアン化プロモベンジルは、輸送禁止物件に含まれないものとする。

  • A30
  • 1m3にたい積したものを75±2℃で24時間保持した場合に自然発火せず、かつ、その中心温度が200℃を超えないものは、自然発火性物質に類別する必要はない。

  • A31
  • 十分に熱処理を施し危険性のないものは、輸送禁止物件に含まれないものとする。

  • A32
  • 当該物件が車両、船舶、航空機に装備されているもの又はハンドル、ドアパネル、座席等の完成品に装着されたエアバッグインフレーター、エアバッグモジュール若しくはシートベルトプレテンショナーであって、不慮の作動ができないように措置されているものは、輸送禁止物件に含まれないものとする。ただし、輸送の書類には、この規定により輸送する旨記載しなくてはならない。

  • A33
  • 亜硝酸アンモニウム及び無機亜硝酸塩とアンモニウム塩の混合物は、輸送を禁止する。

  • A34
  • 化学的に不安定な混合物は、輸送を禁止する。

  • A35
  • 機械的製法によるもので粒度が53ミクロン以上のもの又は化学的製法によるもので粒度が840ミクロン以上のものは、輸送禁止物件に含まれないものとする。

  • A36
  • 等級が2のものは、「A1」の規定に従うこと。

  • A37
  • 過マンガン酸アンモニウムは、輸送を禁止する。

  • A38
  • 1)当該物件は、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート等の高分子物質から製造されるものをいう。
    2)航空機乗組員等が当該包装物に容易に接近することができ、かつ、当該包装物を容易に移動できる場所に積載すること。(当該輸送許容物件の質量の合計が、100kg以下の場合を除く)

  • A39
  • 当該物件は、大容量で輸送する場合に危険な爆発性を有する。

  • A40
  • 輸送中において、当該品名の欄に掲げる希釈剤の割合が当該品名の欄に掲げる値以下にならないように包装されている場合は、可燃性物質として輸送することができる。

  • A41
  • 次に掲げる基準を満たすものは、輸送禁止物件に含まれないものとする。
    1)各装置は、含まれている危険物とは隔離を要しない物質で製造されていること。
    2)各装置の危険物の量の合計が2ml以下であつて、55℃において液体が満杯にならないこと。
    3)各装置は、封印され、高い衝撃抵抗性があるプラスチック又はそれと同等の材質の筒状の内装容器に内容物を完全に吸収できる吸収材とともに収納されていること。また、内装容器の蓋はしっかりと丈夫な手段により固定されていること。
    4)内装容器は、1.5mm以上の厚さの金属又はプラスチックの中間容器に入れ、密閉封印されていること。
    5)中間容器は、しっかりと頑丈な外装容器に入れられていること。また、包装物は内装容器の破損及び漏えいがなく、以下の試験に重大な機能の低下がなく耐えられること。
    ア)以下の方法により、1.8mの高さから固くなめらかな水平面に自由落下試験を行う。
     a)底面が当たる落下を1回
     b)上面が当たる落下を1回
     c)長い側面が当たる落下を1回
     d)短い側面が当たる落下を1回
     e)三つの縁が交差する角部が当たる落下を1回
    イ)供試物の上面に対

  • A42
  • 10質量%以上の鉄を含み、腐食に対して安定化されたライター石用のものは、輸送禁止物件に含まれないものとする。

  • A43
  • 病毒を移しやすい物質に冒された植物、動物若しくはバクテリアから採取したもの又は病毒を移しやすい物質に冒されたものは、病毒を移しやすい物質に類別すること。

  • A44
  • 一又はそれ以上の相互に反応しない少量の輸送許容物件を含み、箱、ケース等に収納されているものであつて、例えば医療、分析、試験又は修理を目的として使用するものに限ること。

  • A46
  • 1)引火性液体に該当する物質が危険性の認められない固体物質に完全に吸収され、かつ、密閉された状態にあるものであって、等級が2の輸送許容物件を輸送する場合の容器の漏えい試験(単一容器に限る。)に合格している場合は、可燃性物質として、当該品名で輸送することができる。
    2)前項の技術上の基準に従い、かつ、吸収された引火性液体の等級が2又は3のものに該当する物質であって、小型容器又は物品に入れられている量が10m?以下のものは、輸送禁止物件に含まれないものとする。

  • A47
  • 病毒を移しやすい物質又は毒性のある遺伝子組替え微生物及び遺伝子組替え生物は、それぞれ病毒を移しやすい物質又は毒物として当該規定に従って輸送すること。

  • A48
  • 第21条の規定は適用しない。

  • A49
  • 品名の欄に掲げる物質が混合されたものに限ること。

  • A50
  • 毒物に該当する液体(等級が1のものを除く。)が、危険性の認められない固体物質に完全に吸収され、かつ、等級が2の輸送許容物件を輸送する場合の容器の漏えい試験(単一容器に限る。)に合格している場合は、当該品名で輸送することができる。


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