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葉書野 ウラ
郵便の特殊取扱とは?普通郵便との違い
郵便の特殊取扱とは、郵便物の引受け・運送・配達といった通常の取扱いに、特別な取扱いを付け加えるサービスの総称です。速達や書留がその代表で、料金は郵便物そのものの料金に加算されます。
根拠は内国郵便約款です。約款は郵便に関する料金を次のように分けています。
(日本郵便「内国郵便約款」より引用)
つまり「郵便物の料金」と「特殊取扱の料金」は別建てで、特殊取扱を付けない郵便物が、いわゆる普通郵便です。約款の条文でも「特殊取扱としないもの」という言い方で普通郵便を指しています。
普通郵便と特殊取扱の違いを整理すると、次のようになります。
| 普通郵便(特殊取扱としない郵便物) 加算料金なし 追跡番号・記録・補償・証明はいずれもなし 原則として郵便受箱に配達する |
| 特殊取扱とした郵便物 種類に応じて加算料金がかかる(無料のものもある) 記録・補償・証明が種類に応じて付く 配達方法を指定できるものもある 受領の証印や署名を受けて渡すものもある |
「特殊郵便」「特別郵便」は正式なサービス名ではありません
検索では「特殊郵便」「特別郵便」という言い方もよく使われます。しかし内国郵便約款とその料金表を全文検索しても、「特殊郵便」という語は1件もありません。正式な用語は特殊取扱で、料金表の見出しも「第6表 特殊取扱の料金」です。
「特別郵便」という単独のサービス名もありません。約款で「特別」が付く名称は2つあり、ひとつが特殊取扱の年賀特別郵便、もうひとつが料金割引の郵便区内特別郵便(同一差出人が同じ郵便区内あてなどに100通以上まとめて差し出す場合に適用される割引)です。
特殊取扱等の種類一覧と加算料金【2026年9月時点】
内国郵便約款の第5章「特殊取扱」には、第1節から第17節までに加えて「第3節の2」「第11節の2」という枝番の節があり、節は全部で19あります。このうち第2節と第3節は削除されているため、残るのは17節です。
節の見出しをそのまま並べると、次の17種類になります。
- 速達/配達時間帯指定郵便/書留/引受時刻証明/配達証明
- 内容証明/特別送達/特定記録郵便/交付記録郵便/本人限定受取郵便
- 返信依頼郵便/代金引換/年賀特別郵便/配達日指定郵便/巡回郵便
- 特定期間引受配達地域指定郵便/特別あて所配達郵便
書留は約款の中で一般書留・現金書留・簡易書留の3つに分かれます。これを別々に数え直すと19になります。加算料金を付けた一覧が次の表です。
| 速達 +300円(250gまで) +400円(1kgまで)/+690円(4kgまで) |
| 配達時間帯指定郵便 +440円(250gまで) +570円(1kgまで)/+920円(1kg超) |
| 一般書留 +480円(損害要償額10万円まで) 以後は5万円ごとに+23円 損害要償額の上限は500万円 |
| 現金書留 +480円(損害要償額1万円まで) 以後は5千円ごとに+11円 損害要償額の上限は50万円 |
| 簡易書留 +350円(損害要償額5万円まで) |
| 引受時刻証明 +350円 一般書留とした郵便物に限る |
| 配達証明 +350円(差し出すとき) 差し出した後の依頼は480円 一般書留とした郵便物に限る |
| 内容証明 +480円(謄本1枚) 1枚増えるごとに+290円 一般書留とした郵便物に限る |
| 特別送達 +630円 一般書留とした郵便物に限る |
| 特定記録郵便 +210円(郵便物) +160円(ゆうメール) |
| 交付記録郵便 +170円 レターパックプラスの専用封筒に限る |
| 本人限定受取郵便 +270円 一般書留とした郵便物に限る |
| 返信依頼郵便 +420円 書留とした定形外郵便物に限る |
| 代金引換 +290円 引換金額は200万円以下 |
| 年賀特別郵便 加算料金なし(無料) |
| 配達日指定郵便 +42円(平日を指定) +270円(土曜・日曜・休日を指定) |
| 巡回郵便 +610円(都区内・同一市町村内のみ) +970円(それ以外) |
| 特定期間引受配達地域指定郵便 加算料金なし(無料) |
| 特別あて所配達郵便 +150円 |
※加算料金は2026年9月時点です。出典は日本郵便「オプションサービスの加算料金一覧」と内国郵便約款 第6表(特殊取扱の料金)です。配達時間帯指定郵便・巡回郵便・年賀特別郵便・特定期間引受配達地域指定郵便の4つは、日本郵便のオプションサービス一覧には載っておらず、約款の料金表にだけ記載があります。
金額の開きが大きいので、主なものを同じ縮尺で並べておきます。
証明を付けるもの(引受時刻証明・配達証明・内容証明)が横並びで350円から480円、裁判所の書類を送る特別送達だけが630円と頭ひとつ抜けています。逆に配達日指定の平日42円は、他とは桁がひとつ違う安さです。
特殊取扱の種類とサービス内容
ここからは、約款の並びに沿ってひとつずつ見ていきます。
速達
同じ種類に属する他の郵便物より優先して送達する取扱いです。約款は、午前7時から午後5時までに配達を受け持つ郵便局へ到着したものは当日の速達配達便で、午後5時以降に到着したものは翌日午前7時以降の速達配達便のうち最も速やかなもので配達すると定めています。
差し出すときは、郵便物の表面の右上部(横に長いものは右側部)に朱色の線を引きます。
配達時間帯の指定
約款上の名称は配達時間帯指定郵便で、差出人が指定した時間帯に配達する取扱いです。指定できるのは午前8時から正午/正午から午後5時/午後5時から午後9時の3つの時間帯で、配達日は引受日時をふまえて差出郵便局が指定します。
利用できるのは第一種郵便物(郵便書簡を除く)で、一般書留以外の特殊取扱と組み合わせることはできません。
一般書留
引受けから配達に至るまでを記録し、送達の途中で郵便物を亡失・き損した場合には、差し出すときに申し出た損害要償額の範囲内で実損額を賠償する取扱いです。引き受けたときは差出人に受領証を交付し、配達のときは配達証に受取人の受領の証印または署名を受けます。
損害要償額は10万円までが基本の480円で、これを超える分は5万円ごとに23円ずつ加算されます(上限500万円)。
現金書留
現金を内容とする一般書留です。約款は、現金を送るときは適当に包装したうえで日本郵便が指定した現金封筒に納めることを求めています。損害要償額は1万円までが480円で、これを超える分は5,000円ごとに11円ずつ加算されます(上限50万円)。
簡易書留
郵便物の引受けと配達を記録し、亡失・き損の場合に5万円を限度とする実損額を賠償する取扱いです。一般書留と違い、運送の途中の授受は記録しません。
現金や貴重品を内容とするもの、引受時刻証明・配達証明・内容証明・特別送達・本人限定受取郵便、それに引換金額が30万円を超える代金引換には、簡易書留を使えません。配達のときに受領の証印または署名を受ける点は一般書留と同じです。
引受時刻証明
郵便物を引き受けた時刻を証明する取扱いです。引き受けたときに、郵便物の表面と差出人に渡す受領証の両方へ引受時刻を記載します。一般書留とした郵便物に限り利用できます。
配達証明
郵便物を配達した(交付した)事実を証明する取扱いです。配達が終わると、差出人あてに配達証明書が届きます。この配達証明書は、特殊取扱としない通常葉書で送られます。
一般書留とした郵便物に限り利用できます。差し出すときの依頼は350円ですが、差し出した後に依頼する場合は480円になります。
内容証明
いつ、どのような内容の文書を、誰から誰あてに差し出したかを差出人が作成した謄本によって証明する取扱いです。法律上の権利に関する意思表示を、後日の証拠として残しておきたいときに使います。
料金は謄本1枚で480円、1枚増えるごとに290円ずつ加算されます。差出人は、差し出した後に謄本の閲覧を請求することもできます(1回480円)。一般書留とした郵便物に限り利用できます。
特別送達
民事訴訟法第100条第1項および第103条から第106条までに掲げる方法により郵便物を送達し、その送達の事実を証明する取扱いです。裁判所から訴訟関係者に送られる訴訟書類などが対象で、法律の規定に基づいて送達すべき書類を内容とするものに限られます。一般書留とした郵便物に限り利用できます。
特定記録郵便
郵便物の引受けを記録したうえで送達する取扱いです。引き受けたときに差出人へ受領証を交付します。日本郵便の特定記録のご案内は「配達の際は受取人さまの郵便受箱に配達します」「配達の記録(受領印の押印または署名)は行いません」と記載しています。郵便物の表面の見やすい所に「特定記録」と書いて差し出します。
組み合わせに制限があり、速達と配達日指定郵便以外の特殊取扱にはできません。
交付記録郵便
郵便物の配達を記録する取扱いです。受取人に配達するときは配達証に受領の証印または署名を受け、代人や受付に渡すときはその資格と氏名の記載も受けます。
対象はレターパックプラスの専用封筒(交付記録郵便用特定封筒)を利用した特定封筒郵便物に限られ、他の特殊取扱と組み合わせることはできません。
本人限定受取郵便
郵便物を郵便局に留め置いて到着通知書を名あて人に送り、来局を待って名あて人本人に限って交付する取扱いです。差出人は、名あて人に代わって受け取れる代人(自然人1人)を指定することもできます。一般書留とした郵便物に限り利用できます。
差し出すときには、本人確認のレベル・配達の有無・本人確認情報を差出人へ伝えるかどうかによって、基本型・特例型・特定事項伝達型のいずれかを選びます。特定事項伝達型では代人を指定できません。
返信依頼郵便
郵便物を配達・交付するときに、受取人の承諾を得たうえで、郵便物に添付されている郵便葉書による返信を依頼する取扱いです。承諾を得られなかった場合は、依頼をせずに郵便物だけを配達します。
利用できるのは、書留とした定形外郵便物で、料金受取人払の返信用葉書を添付し、料金後納としたものに限られます。
代金引換
郵便物を差出人が指定した額の金銭と引き換えに名あて人へ交付し、その金額を差出人に送金する取扱いです。引換金額は200万円以下で、30万円を超える場合は一般書留(ゆうパックはセキュリティサービス)とする必要があります。郵便書簡には利用できません。
差し出した後に取り消したり引換金額を変更したりする場合、配達前などの早い段階での請求は無料ですが、それ以外は750円の手数料がかかります。
年賀特別郵便
郵便物を12月15日から12月28日までの間に引き受け、翌年1月1日付けの通信日付印を押して、翌年1月1日の最先便から配達する取扱いです。引受開始日は1週間を限度として繰り下がることがあります。
対象は定形郵便物・郵便書簡・通常葉書・点字郵便物で、加算料金はかかりません。
配達日指定郵便
差出人が指定した日に配達する取扱いです。指定できるのは、原則として差出しの日の3日後から起算して10日以内の日です。平日を指定すると42円、土曜日・日曜日・休日を指定すると270円が加算されます。
組み合わせられるのは、書留・引受時刻証明・配達証明・内容証明(点字内容証明を除く)・特別送達・特定記録郵便・代金引換に限られます。
巡回郵便
集配郵便局の承認を受けた利用者と、あらかじめ巡回先として申し出た利用者との間を、郵便業務従事者が巡回して郵便物を配達する取扱いです。日曜日と休日以外の日に差し出すこと、料金後納とすることなどが条件になります。
加算料金は、都の区の存する区域内または同一市町村内だけで引受けと配達を行うものが610円、それ以外が970円です。
特定期間引受配達地域指定郵便
あて名の記載を省略した通常葉書を、指定した地域の住宅などすべてに配達する取扱いです。引き受ける期間は1月15日から12月14日までで、料額印面の付いた葉書(お年玉付きを除く)が対象になります。
加算料金はかかりませんが、他の特殊取扱と組み合わせることはできません。
特別あて所配達郵便
受取人の住所または居所だけが書かれ、氏名が書かれていない郵便物を、そこに居住する者があると認められる場合に配達する取扱いです。記載された住所に複数の住宅などがある場合は、差出人に返還されます。
対象は定形郵便物と第二種郵便物で、料金後納としたものに限られます。加算料金は150円です。
特殊取扱と間違えやすいサービス
名前が似ていたり、かつて特殊取扱だったりして、混同されやすいものをまとめます。
新特急郵便
おおむね午前中に差し出された郵便物を差出当日の午後5時頃までに配達する取扱いでしたが、現在は取り扱いがありません(2026年9月時点)。現行の内国郵便約款にも規定がなく、オプションサービスの加算料金一覧にも掲載されていません。差し出した当日中に届けたい場合の選択肢は、速達になります。
ファクシミリ送信型電子郵便(レタックス)
作成した文書を引受局から配達局へ送信し、配達局で印刷して専用の台紙に納めて配達するサービスです。日本郵便はレタックスの名称で案内しており、15時30分(一部地域は13時30分)までに差し出せば当日配達も可能です。
これは電子郵便であって、約款第5章の特殊取扱ではありません。ポストに投函する場合は、封筒の表に「レタックス」または「電子郵便」と朱記します。
コンピュータ発信型電子郵便
受取人の住所・氏名・通信文を記録したデータを記録媒体などで引き受け、日本郵便が郵便物を作成して第一種郵便物として送達するサービスです。これも電子郵便であり、特殊取扱ではありません。
電子内容証明郵便(e内容証明)
差出人がパソコンで作成した文書を、インターネット上の専用サイトを通じて引き受け、内容証明郵便物として送達するサービスです。差し出されたものは内容証明郵便物として扱われますが、差出しの経路そのものは電子郵便で、約款第5章の特殊取扱として並んでいるわけではありません。
セキュリティサービス
ゆうパックに付けるオプションで、加算料金は420円、損害要償額は50万円までです。郵便物に付ける特殊取扱ではなく、荷物のオプションで、現金は取り扱いません。
よくある質問
葉書野 ウラ
郵便の特殊取扱は全部で何種類ありますか?
内国郵便約款の第5章「特殊取扱」は、第1節から第17節までに「第3節の2」「第11節の2」を加えた全19節で構成され、うち第2節と第3節は削除されています。残る節の数で数えると17種類です。書留を一般書留・現金書留・簡易書留の3つに分けて数え直すと19になります。数え方によって数字が変わるので、「何種類」という言い方をするときは何を1つと数えたかを確かめてください。
「特殊郵便」と「特殊取扱」は違うものですか?
同じものを指しています。約款と料金表の用語は「特殊取扱」で、約款を全文検索しても「特殊郵便」という語は1件もありません。「特別郵便」も単独のサービス名ではなく、約款で「特別」が付くのは特殊取扱の年賀特別郵便と、料金割引の郵便区内特別郵便の2つだけです。
特殊取扱は自由に組み合わせられますか?
組み合わせには制限があります。引受時刻証明・配達証明・内容証明・特別送達・本人限定受取郵便は一般書留とすることが前提で、配達時間帯指定郵便も一般書留以外とは組み合わせられません。特定記録郵便は速達と配達日指定郵便だけ、配達日指定郵便は書留・引受時刻証明・配達証明・内容証明・特別送達・特定記録郵便・代金引換だけと組み合わせられます。交付記録郵便と特定期間引受配達地域指定郵便は、他の特殊取扱と一切組み合わせられません。
対面で受け取ることになる特殊取扱はどれですか?
配達証に受領の証印または署名を受けるのは、一般書留・現金書留・簡易書留・交付記録郵便・代金引換・特別送達です。本人限定受取郵便は郵便局に留め置いて名あて人本人に交付します。一方、特定記録郵便は受取人の郵便受箱に配達し、受領印の押印や署名は行いません。「記録が残る=手渡し」ではない点に注意してください。
普通郵便との違いは何ですか?
普通郵便は約款でいう「特殊取扱としない郵便物」で、加算料金がかからない代わりに、追跡・記録・補償・証明のいずれも付きません。特殊取扱を付けると郵便物の料金に加算料金がかかりますが、種類に応じて記録や補償、証明、配達方法の指定が付きます。
郵便の特殊取扱のまとめ
- 特殊取扱とは、郵便物の通常の取扱いに特別な取扱いを加えるサービス。料金は郵便物の料金とは別建ての加算料金。
- 内国郵便約款 第5章の節で数えると17種類。書留を3つに分けると19。「特殊郵便」「特別郵便」という名称のサービスはない。
- 窓口で使う主なものの加算料金は、配達日指定(平日)の42円から特別送達の630円まで。証明系は350円〜480円に集まる(2026年9月時点)。承認が必要な巡回郵便だけは610円・970円と別格。
- 引受時刻証明・配達証明・内容証明・特別送達・本人限定受取郵便は一般書留が前提。
- 特定記録郵便は速達と配達日指定郵便のみ、交付記録郵便と特定期間引受配達地域指定郵便は併用不可。
- 特定記録郵便は郵便受箱に配達するので、記録は残るが手渡しではない。
- レタックス・コンピュータ発信型電子郵便・e内容証明は電子郵便、セキュリティサービスは荷物のオプションで、いずれも特殊取扱ではない。
- 新特急郵便は現在は取り扱いがない(2026年9月時点)。当日中に届けたいときは速達を使う。
葉書野 ウラ








