京都のゆうパック不明配達員から考える日本郵便の現状

2019年5月9日に京都の左京郵便局で起きた「ゆうパック配達員の行方不明」事案から考える、日本郵便の深刻な現状を元郵便局員が解説します。

ゆうパック配達員の行方不明

2019年5月9日に京都の左京郵便局で「ゆうパック運転手が行方不明 荷積み数十個、配送車ごと」が発生。

事故でなければよいと思ってましたが、逃亡+逮捕という一番残念な結果でした。


逃亡経緯

無事発見されて日が経つにつれ色々と情報がでてきますが、結果的に言えば自分勝手な話です。


誤配して怒られ嫌になり、釣り銭を使って帰れなくなり、結果的に逃亡。

確かに郵便局は誤配に厳しい面もありますが、ゆうパックの場合は対面配達となるので、きちんと配達時に住所・宛名確認をやれば対面誤配なんてなかなか起きません。

釣り銭の使い込みは、お金の入出金は社員IDと現金管理機で全て管理されていますのでバレないはずがないですし、社員のみならず委託も同様です。
管理されているのをわかってて使い込みしてるので、使った時点でどういう事態になるかは事前にわかってたと思います。

いずれにしても荷物を積んだまま逃亡し、お客さまをはじめ、多くの方に多大なご迷惑をおかけしたことに対して、配達員として一切の弁明の余地すらない一番最悪の状態です。


日本郵便クオリティ

こういう事件があると日本郵便は一応「対応」「対策」を行います。
この「対応」「対策」が、いつも現場を改悪へと導いてくれるのが郵便局クオリティです。

事例を挙げればキリがないですが、年々間違いなく「ムダ・ムラ・ムリ」が増えてます。

一般的には「ムダ・ムラ・ムリ」をなくそうとする現代の中で、日本郵便は年々確実に「ムダ・ムラ・ムリ」を増えしています。
現場を知らない支社がムダな業務ばかりを増やすので、業務内容に物理的なムリが生じます。

適正な業務内容(物数・配達員数・配達にかかる時間)が分担されずに、毎日ムリとムダの間を行き来している「その場しのぎ」の状況です。
ほとんど現場の努力の上に、今のサービスレベルはギリギリ成り立ってると思います。


今回の事件から懸念されること

今回は釣り銭の使い込みがあったので、「釣り銭は一律10,000円までにしよう」とかホントこのレベルの対応を改善策として告知してきます。
釣り銭を10,000円にしたらどうなるかを考えてないです。

当然、釣り銭が少ないと必ず釣り銭不足になり、ムダに帰局する必要がでてきます。
局の近くを配達してるのであれば問題ないですが、当然すぐに帰局できない人もいるわけで、結果的に時間に追われてムリな業務内容になりますので、郵便局が一番嫌う「誤配」や「交通事故」の増加にもつながる可能性もあります。

こういう端的な解決策でなく、根本的な解決先を是非考えていただければと思います。