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葉書野 ウラ
郵便料金不足を払わなかったらどうなる?
結論から書くと、郵便料金不足の場合でも受取人に罰則も延滞金も発生しません。根拠は郵便法の条文そのものです。日本郵便の料金不足の郵便物の取り扱いは、法律と約款で決まっています。 郵便法第39条(料金未払又は料金不足の郵便物)は、次のように定めています。- 「料金未払又は料金不足の郵便物で特殊取扱(郵便約款の定めるものを除く。)としないものは、受取人が、その未払金額又は不足金額を支払つてこれを受け取ることができる。」(郵便法第39条・e-Gov法令検索)
- 「1)受取人に届く前に差出人に返送される」
- 「2)受取人に届いて不足額を支払う」
- 「3)受取人が不在だったり、支払いを拒否したりすると差出人に返送される」(日本郵便「手紙にまつわるQ&A」Q3)
延滞利息はかからないのか
内国郵便約款には延滞利息の定め(第65条)があります。ただしこれは支払期限日が定められた料金についての規定で、年14.5%の割合で計算すると書かれています。 一方、料金不足の郵便物の受取人には支払期限日そのものが定められていません。郵便法第39条が「支払つてこれを受け取ることができる」としているだけだからです。さらに第65条は「支払うべき郵便に関する料金が1,000円未満である場合」には延滞利息の支払を要しないとしています。「未納不足」のスタンプだけ・ハンコだけで届いた場合
普通郵便(定形郵便物・通常はがき)の切手が足りない場合、郵便物に「未納不足」と押されて届くことがあります。 ただし正直に書いておきます。「未納不足」という表示の定義は、日本郵便の公式ページにも内国郵便約款にも見当たりません。郵便法と内国郵便約款が使っている語は「料金未払又は料金不足」で、料金が納められていない(未納)状態と、貼られた切手の額が足りない(不足)状態の両方を指します。この語と「未納不足」という表示が同じものを指すかどうかも、公式には明記されていません。ハンコ(スタンプ)だけで金額の案内がない場合
「未納不足」や「料金不足」のスタンプだけが押され、不足額を知らせる書面が添えられていない状態で届くことがあります。 この場合、いくら不足しているのかが受取人には分かりません。金額の提示がない以上、支払いようがありません。気になる場合は、その郵便物の配達を受け持つ郵便局に問い合わせてください。ハガキなしで料金不足の郵便物が届いた場合
同じく、不足額の案内が添えられていないケースです。受取人から進んで支払う義務はありません(郵便法第39条)。 自分が差出人側に心当たりがある場合は、差出人に「料金不足で届いた」と伝えておくと、次回に気づいてもらいやすくなります。不足額の支払い方法と、10日過ぎた場合
郵便物には、不足額を知らせるはがきが添えられていることがあります。「料金不足のお知らせ」と書かれた書面です。切手が足りない場合の支払い方法は、次の2つです。- 郵便料金不足のお知らせに、足りない分の切手を貼る
- その書面を持って郵便局の窓口で支払う(切手の足りない分を窓口で現金で払う)
10日過ぎたらどうなる?
郵便法にも内国郵便約款にも、受取人が不足額を支払う期限の定めはありません。期限が定められていない以上、「10日を過ぎたから罰則が発生する」という条文上の根拠もありません。 内国郵便約款の中で「10日」が出てくるのは、留置郵便物の留置期間(第78条)など別の場面で、料金不足の支払期限ではありません。支払いを無視したらどうなる?
支払わなければ、その郵便物は受取人に交付されず、差出人に返還されます(内国郵便約款第87条第1項、日本郵便「手紙にまつわるQ&A」Q3の3)。督促状が届く、延滞金が加算される、といった扱いは条文にありません。受け取り拒否(受取拒絶)したい場合
心当たりのない郵便物であれば、受け取りを拒絶できます。日本郵便は公式サイトで方法を明示しています。- 「郵便物等に下記事項を記載したメモ、付せんを貼り付け、配達担当者にお渡しいただくか、郵便窓口にお持ちいただくか、郵便ポストに投函していただければ差出人さまへ返還します。」
- 「「受取拒絶」の文字」
- 「受け取りを拒絶した方の印を押印または署名を記載」
- 「郵便物等の開封後は、受け取りを拒絶することはできませんので、ご注意ください。」(日本郵便「郵便物等を受取拒絶したい場合」)
なぜ受取人が払うことになるのか
「差出人のミスなのに、なぜ受取人が払うのか」という疑問には、郵便法第39条の立て付けが答えになります。 料金が足りない郵便物について、法律が用意している道は「受取人が不足額を払って受け取る」か「差出人に返す」かの2つだけです。受取人に届けたうえで配達を成立させるには、不足額を受取人が払う経路しか条文に用意されていません。 だから受取人には払う義務ではなく、払えば受け取れるという選択肢が与えられています。払わなければ差出人に戻るだけです。「不足料金受取人払」は正式なサービス名ではない
「不足料金受取人払」「不足分受取人払い」という言い方があります。内国郵便約款に、この名称の取扱いの定めはありません。 約款第61条にある「料金受取人払」は、あらかじめ郵便局の承認を受けた受取人あての差出方法で、アンケートの返信用封筒などに使われる別の制度です。料金不足の郵便物とは関係がありません。差出人に返ってきた場合(差出人が払うケース)
自分が差し出した郵便物が料金不足で戻ってきた場合、支払うのは差出人です。内国郵便約款第90条(郵便物の返還の際の料金)は、料金未払又は料金不足の郵便物について差出人が支払う額を「その支払うべき金額」と定めています。 返還された郵便物をどう出し直すかについては、日本郵便の公式ページにも内国郵便約款にも案内が見当たりません。公式に書かれている確実な方法は、窓口へ持ち込むことです。日本郵便は「特に慣れない速達や定形外の手紙を出す場合は、事業所の郵便窓口へお持ちいただくのが確実です。」と案内しています(手紙にまつわるQ&A)。| 場面 | 支払う人・額と根拠 |
|---|---|
| 受取人が 受け取る | 受取人が不足額を支払う (郵便法第39条/内国郵便約款第82条) |
| 差出人へ 返還 | 差出人が「その支払うべき金額」を支払う (内国郵便約款第90条) |
参考
差出人にも受取人にも渡せなくなった郵便物の扱いは、下記の記事を参考にしてください。書留・速達・レターパックの料金不足
簡易書留などの特殊取扱は約款第82条の対象外
郵便法第39条も内国郵便約款第82条も、対象を「特殊取扱としないもの」に限定しています。書留(一般書留・簡易書留・現金書留)や特定記録は特殊取扱にあたるため、この条文が直接適用される郵便物ではありません。 「簡易書留の不足分受取人払い」という扱いが約款に定められているわけではない、ということです。書留で料金不足が生じた場合の取扱いは、配達を受け持つ郵便局に確認してください。速達だけは条文に例外がある
速達については、内国郵便約款第101条(料金不足の速達郵便物の受取方法)に定めがあります。- 「速達とする郵便物で他の特殊取扱としないもののうち、その支払料金額がその郵便物の料金及び速達料の合計額には達しないけれどもその郵便物の速達料相当額以上であるものについては、受取人が、その支払うべき金額を支払った場合は、これをその受取人に交付します。」
旧料金のレターパックは差額の切手を貼る
レターパックはレターパックプラス600円・レターパックライト430円です(2026年9月時点)。値上げ前の封筒が手元にある場合、日本郵便は次のように案内しています。- 「旧料金のレターパックは、600円または430円との差額分の切手を貼ってご利用ください。」
- 「旧料金のレターパックを新しい料金のレターパックと交換する際は、所定の手数料と差額分の料金がかかりますので、ご了承ください。」(日本郵便「レターパック」)
郵便料金不足を事前に防ぐには
値上げ前の切手やはがきをそのまま使うと、料金不足になります。2024年10月1日の改定後の料金は次のとおりです(2026年9月時点・日本郵便「国内の料金表(手紙・はがき)」で確認)。| 種類 | 料金 |
|---|---|
| 定形郵便物 50gまで | 110円 |
| 通常はがき | 85円 |
| 往復はがき | 170円 |
| 郵便書簡(ミニレター)25gまで | 85円 |
| レターパックライト | 430円 |
| レターパックプラス | 600円 |
参考
切手を貼る位置や枚数のマナーは、下記の記事を参考にしてください。郵便料金不足に関するよくある質問
葉書野 ウラ
郵便料金不足の郵便物を開けてしまった場合、受け取り拒否できますか?
できません。日本郵便は「郵便物等の開封後は、受け取りを拒絶することはできませんので、ご注意ください。」と明記しています。開封後に心当たりがない場合は、差出人に直接連絡してください。
料金不足だと、どっちに戻るのですか?
差出人に戻ります。受取人が不足額を支払わなかった場合、その郵便物は受取人に交付されず差出人に返還されます(内国郵便約款第87条第1項)。日本郵便のQ&Aも「受取人が不在だったり、支払いを拒否したりすると差出人に返送される」としています。
懸賞ハガキが料金不足でした。どうなりますか?
扱いは通常のはがきと同じです。受取人(懸賞の主催者)が不足額を支払えば交付され、支払われなければ差出人に返還されます。通常はがきの料金は85円です(2026年9月時点)。
切手の不足分は郵便局の窓口でも払えますか?
不足額を知らせる書面が添えられている場合は、その書面を持って郵便局の窓口で支払えます。書面に金額の記載がない場合は、配達を受け持つ郵便局に不足額を確認してください。
郵便の未納不足とはどういう意味ですか?
郵便物に押されることのある表示ですが、その定義は日本郵便の公式ページにも内国郵便約款にも見当たりません。郵便法と内国郵便約款が使う語は「料金未払又は料金不足」で、料金がまったく納められていない(未納)状態と、貼られた切手の額が足りない(不足)状態を指します。
郵便局はなぜ料金不足がわかるのですか?
日本郵便は検出の方法を公表しておらず、内国郵便約款にも定めがありません。差出人の側でできる確実な対策は、日本郵便が案内しているとおり「事業所の郵便窓口へお持ちいただく」ことです。
受取人が払わないと差出人にペナルティはありますか?
郵便物は返還され、差出人は内国郵便約款第90条により「その支払うべき金額」を支払います。それ以外の罰則の定めはありません。返ってきた郵便物の出し直し方は公式に案内が無いため、郵便窓口で確認してください。
葉書野 ウラ








