リチウム電池マークの書き方と貼り方|航空搭載の条件を元郵便局員が解説

分解されたスマートフォンとリチウム電池が並ぶ様子

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リチウム電池が入った荷物は、「送れるかどうか」ではなく「飛行機に載せられるかどうか」で扱いが分かれます。載せられなければ陸送に回り、配達が1日~4日程度遅れることがあります。 この記事ではリチウム電池を航空搭載するための条件・リチウム電池マークの書き方と貼り方・国際郵便との条件の違いについて、元郵便局員が解説しています。

葉書野 ウラ

条件は「電池の種類」「規格」「梱包」「輸送形態」の4つで決まります。国内ゆうパックでは認められている「電池と機器の同梱」が、国際郵便では認められていません——同じ荷物でもあて先で結論が逆になります。条件は日本郵便のQ&A・別紙PDF・国際郵便によるリチウム電池の郵送条件(PDF)に当たって確認しました。元郵便局員が解説します。

リチウム電池が航空搭載できるかを判定するフロー

先に結論
航空搭載できるのはゆうパックと国際郵便だけです(法人向けのUGXは別条件)。そのうえで電池の規格・梱包・輸送形態の3つを満たし、リチウム電池マークを貼って初めて飛行機に載ります。同梱する場合は、さらに電池の正味量5kg以内・予備電池2セットまで・リチウムイオン電池は充電率が定格容量の30%以下も必要です。電池単体(モバイルバッテリーなど)は、どの条件を満たしても航空搭載できません。

日本郵便は、この判定手順を取扱いフロー図として公開しています。図の流れを4つのチェックに整理すると次のとおりです。

航空搭載できるかの最初の4つのチェック上から順に、チェック1「ゆうパックか」、チェック2「規格の上限内か」、チェック3「強固な外装容器か」、チェック4「電池単体でないか」の4つの箱が縦に並び、下向きの矢印でつながっています。4つとも「はい」で通過すると、左下の緑の箱「形態ごとの条件を満たせば搭載できる」に進みます。形態ごとの条件とは、電池の正味量5kg以内、同梱なら予備電池2セットまで、リチウムイオン電池を同梱するなら充電率が定格容量の30パーセント以下で、これを満たしてリチウム電池マークを貼ると航空搭載できます。各チェックから右へ伸びる赤い線は1本の縦のレールにまとまり、右下の赤い箱「航空搭載できない(陸送になる)」に入ります。つまり、どれか1つでも満たさなければ航空搭載できないという意味です。 航空搭載できるかの最初の4つのチェック いいえ 1 ゆうパックか 2 規格の上限内か 3 強固な外装容器か 4 電池単体でないか 形態ごとの条件を 満たせば搭載できる 航空搭載できない (陸送になる)

この4つを通ったあと、輸送形態ごとの条件(電池の正味量5kg以内・同梱なら予備電池2セットまで・リチウムイオン電池を同梱するなら充電率が定格容量の30%以下)を満たし、リチウム電池マークを貼ると航空搭載できます。

出典:リチウム電池をゆうパックで送る際の注意点はありますか?|日本郵便およびリチウム電池等を航空機により輸送するための条件(別紙・PDF)(2025年12月現在の版)

 

航空搭載できるのは国内ではゆうパックだけ

国内では、リチウム電池を積んだまま飛行機に載せられるサービスはゆうパックだけです。別紙は差出サービスの条件をこう書いています。

ゆうパックとして差し出していただくこと。(郵便物(レターパック、スマートレターを含みます。)、ゆうメールおよびゆうパケットではリチウム電池等を航空輸送することはできません。)

出典:リチウム電池等を航空機により輸送するための条件(別紙・PDF)|日本郵便 1 お取扱い可能なサービス

ここで注意したいのは、これが「差し出せない」という意味ではないことです。リチウム電池は航空危険物ですが引受禁止品ではないので、ゆうパック以外でも差し出しはできます。ただし航空搭載地域あてになると飛行機を使えず、陸送に回るぶんだけ日数がかかります。

航空搭載地域とは
国内の主として遠方の地域と島しょ部が対象です。引受地とあて地の組み合わせで決まるため、日本郵便が航空搭載地域早見表(ゆうパック)を都道府県のマトリクスで公開しています。
 

電池の種類と規格を確かめる

航空搭載の条件は、電池の種類(リチウムイオンかリチウム金属か)と、単電池か組電池かで数字が変わります。まず手元の電池がどれなのかを確定させます。

リチウムイオン電池とリチウム金属電池の見分け方

別紙は、2種類の特徴を次のように整理しています。

  • リチウムイオン電池:充電できます。電池表面に「リチウムイオン電池」「リチウムポリマー電池」「リチウム二次電池」「Li-ion」「Li-Po」などと記載されています
  • リチウム金属電池:一般的に充電できません。電池表面に「リチウム金属電池」「リチウム一次電池」などと記載され、一般的に、BR、CR、FR で始まるアルファベットの型番が記載されています

型番の頭文字が判別の近道です。ボタン形・コイン形でCR2032のように「CR」から始まるものはリチウム金属電池です。

検温器電池ICR10440 充電式リチウムイオン電池 3.7V 単4形 350mAh リチウムコバルトバッテリー (10本)
PKCell

単電池と組電池の見分け方

プラスとマイナスの位置で見分けます。別紙は次のように書き分けています。

  • 単電池:円筒形、ボタン・コイン形のように、正極(+)と負極(-)が上下(表裏)別々に位置しています
  • 組電池:同じ種類の単電池を複数個パックしたもので、一般的な携帯電話やパソコンのバッテリーのように、正極(+)と負極(-)が上下(表裏)同一面に位置しています

ワット時定格値とリチウム含有量の計算方法

上限は電池の種類と単電池・組電池の組み合わせで4通りです。

電池の区分上限
リチウムイオン
単電池
20Wh以下
リチウムイオン
組電池
100Wh以下
リチウム金属
単電池
1g以下
リチウム金属
組電池
2g以下

※リチウムイオン電池はワット時定格値、リチウム金属電池はリチウム含有量で判定します(2025年12月現在の別紙による)。

数値が電池に書かれていないときは、別紙の算出式で出します。

  1. ワット時定格値(Wh)=電圧(V)×定格容量(Ah)。定格容量がmAh表示なら1000で割ります
  2. リチウム含有量(g)=定格容量(Ah)×0.3

別紙が挙げている計算例は3.7V×6000mAh÷1000=22.2Whです。この電池は単電池なら上限の20Whを超えます。

注意
リチウム含有量は、通常の場合リチウム金属電池本体には表示されていません。ご不明の場合は電池の製造業者にご確認ください(日本郵便のUGXのページに同じ注意が書かれています)。
 

輸送形態ごとの航空搭載の可否

同じ荷物でも、あて先が国内か海外かで可否が逆になる形態があります。

輸送形態国内
ゆうパック
国際
郵便
電池単体××
電池と機器を
同梱
○×
電池を機器に
組み込み
○○

※○は条件を満たした場合です。国内は別紙、国際は国際郵便によるリチウム電池の郵送条件(PDF)|日本郵便によります。

電池単体は航空搭載できない

別紙は例外を認めていません。

リチウム電池単体(モバイルバッテリーチャージャー(携帯式充電器)など)は、航空輸送することはできません。

出典:リチウム電池等を航空機により輸送するための条件(別紙・PDF)|日本郵便 2 リチウム電池の取扱い条件

ワット時定格値が上限内でも、梱包が完璧でも結果は変わりません。モバイルバッテリーだけを送る荷物は、航空搭載地域あてなら陸送になります。

電池と機器を同梱する場合の条件

機器と電池を別々に入れる形(同梱)は、国内ゆうパックでは次の3つを満たせば航空搭載できます。

  1. 荷物当たりの電池の正味量が5kg以内
  2. 予備電池は2セットまで
  3. リチウムイオン電池のみ:充電率が定格容量の30%以下

3つ目は新しく加わった条件です。別紙はこう注記しています。

2025年12月31日以降にお引き受けするものについて、電池と機器を同梱する場合は、充電率が30%を超えるものについて航空輸送ができなくなります。

出典:リチウム電池等を航空機により輸送するための条件(別紙・PDF)|日本郵便 2 リチウム電池の取扱い条件の脚注

注意
充電率30%以下の条件が付くのはリチウムイオン電池を同梱する場合だけです。機器に組み込んだ状態や、リチウム金属電池には付きません。フル充電のまま予備バッテリーを入れると、この1点だけで航空搭載できなくなります。

電池を機器に組み込む場合の条件

電池が機器に入ったまま送る形は、条件が1つだけです。

  • 荷物当たりの電池の正味量が5kg以内

予備電池の本数制限も、充電率30%以下の条件も付きません。デジタルカメラやノートパソコンをそのまま送る場合はこちらにあたります。

 

航空搭載するための梱包の要件

梱包は「壊れないように包む」だけでは足りません。別紙は包装基準(PI966、967、969または970)を満たしたうえで、次の2点を求めています。

  1. 十分な強度で頑丈な外装容器に包装する。外装箱に梱包されている状態であり、緩衝材で保護された封筒は不可です
  2. 複数個の機器が包装される場合、損傷させないよう機器を包装し、他の機器との接触を防ぐ包装をする

取扱いフロー図でも、ゆうパックの箱が良い例、袋が悪い例として並べられています。緩衝材で保護された封筒に入れた時点で条件から外れるので、リチウム電池を含む荷物は箱で送ってください。機器が箱の中で動かないように固定することも要件に入っています。

 

リチウム電池マークの書き方

条件を満たしていても、マークを貼らなければ飛行機には載りません。日本郵便は様式をPDFで配布しており、差出人が自分で印刷して記入する形です。

マークに書く国連番号と包装基準の早見表

マークに書くのは国連番号と包装基準の2つです。組み合わせは電池の種類と送り方で4通りあります。

電池の種類と送り方マークに書く内容
リチウムイオン電池
機器と同梱
UN3481
PI966
リチウムイオン電池
機器に組み込み
UN3481
PI967
リチウム金属電池
機器と同梱
UN3091
PI969
リチウム金属電池
機器に組み込み
UN3091
PI970

※別紙 2 の表および取扱いフロー図の記載事項によります(2025年12月現在)。

国連番号は電池の種類で決まり、包装基準は送り方で変わります。同じリチウムイオン電池でも、同梱ならPI966、機器に組み込みならPI967です。ここを取り違えると記載事項が合いません。

マークの大きさと色の条件

様式PDFと別紙が指定している条件は次のとおりです。

  • 大きさ:縦10cm×横10cm以上。包装物が小さく、折り曲げずに貼付できない場合は、縦7cm×横10cmの大きさのマークも使用できます
  • 色:背景は白、文字・図は黒、縁(斜線)は赤
  • 縮小等はせず、必ずカラーで印刷する。印刷後に大きさ等の条件を満たしているか確認します

出典:リチウム電池マーク(様式・PDF)|日本郵便、別紙(PDF) 4「リチウム電池マーク」の条件

注意
白黒印刷は条件を満たしません。マークは縁が赤の斜線であることが要件に入っているためです。印刷方法そのものは指定されていませんが、様式PDFが「印刷後は大きさ等の条件を満たしているか確認してください」と求めているので、印刷したら10cm角を下回っていないか定規で確かめてください。

旧様式が使えるのは2026年12月31日まで

マークには新様式と旧様式があります。別紙 5 の表は、旧様式に(~2026年12月31日)、新様式に(2023年1月1日~)と期限を明記しています。

  • 新様式の記載事項:リチウム電池の国連番号(UN3481またはUN3091)、包装基準
  • 旧様式の記載事項:国連番号、包装基準、連絡先電話番号(旧様式では必須)

いま手元に旧様式の印刷やデータが残っているなら、使えるのは2026年12月31日までです。これから用意するなら新様式で作ってください。新様式には連絡先電話番号の記入欄がありません。

 

リチウム電池マークの貼り方の良い例と悪い例

マークは貼る場所と貼り方まで決まっています。別紙 6 が良い例2つと悪い例2つを図で示しているので、その内容を整理します。

リチウム電池マークの貼り方4つの区画に分けた図です。上段の2つが良い例で、1はゆうパックのラベルとリチウム電池マークが同じ面に折り曲げずに並んでいる状態、2はラベルを貼れない場合に荷物の正面へ折り曲げずにマークを貼った状態です。下段の2つが悪い例で、3は荷物ではなく台紙にマークを表示して差し出すこと、4はマークを折り曲げたり2つの面にまたがって貼ることです。凡例として、灰色の枠がゆうパックラベル、赤い枠がリチウム電池マークを表します。 リチウム電池マークの貼り方 ラベル リチウム電池マーク 1 良い例 ラベルと同じ面に 折り曲げずに貼る 2 良い例 1が難しいときは 正面に折り曲げず 3 悪い例 台紙に表示して 差し出すのは不可 4 悪い例 折り曲げ・2面に またがるのは不可

良い例と悪い例の中身は次のとおりです。

  • 良い例1:ゆうパックラベルと同じ面に、折り曲げないように表示します
  • 良い例2:1が困難な場合は、ゆうパックの正面に折り曲げないように表示します
  • 悪い例3:台紙等に表示し差し出すことはできません。マークを表示するのに十分なスペースがあるような梱包を満たす必要があります
  • 悪い例4:マークを折り曲げたり、2面以上にまたがって表示したりすることは認められていません

出典:リチウム電池等を航空機により輸送するための条件(別紙・PDF)|日本郵便 6 リチウム電池マークの表示方法

注意
別紙は「ゆうパックラベルの上には貼り付けないでください」とも書いています。同じ面に並べて貼るのが良い例1で、ラベルに重ねるのは別の話です。マークが小さくて貼れないような梱包を選ぶのではなく、マークが貼れる大きさの箱を選ぶのが正しい順番です。

リチウム電池マークの貼付が不要になるケース

機器に内蔵された小さなリチウム電池には、マークの代わりに品名欄への追記が用意されています。別紙 5 の注記です。

スマートウオッチなどに内蔵されているリチウムボタン電池の場合は、リチウム電池マークの貼付は不要ですが、品名欄に「スマートウオッチ(リチウムボタン電池)」などと追記してください。

出典:リチウム電池等を航空機により輸送するための条件(別紙・PDF)|日本郵便 5「リチウム電池マーク」の記載事項

腕時計やスマートウオッチのように、時刻やメモリ保持のためにボタン形の電池が入っているだけの機器がこれにあたります。マークは不要ですが、品名欄への追記は必要です。何も書かないと、中身が分からないまま陸送に回されることがあります。

 

国際郵便は国内と条件が違う

国際郵便は、国内ゆうパックの条件をそのまま当てはめると通りません。条件が4つ示されています。

  1. 機器に取り付け又は機器に内蔵されていること
  2. リチウムの内容量又はワット時定格値等が一定限度内であること
  3. リチウム電池の数量制限(単電池の場合は4個、組電池の場合は2個)の範囲内であること
  4. リチウム電池の輸入を制限していない国・地域宛て等に差し出すこと

出典:国際郵便によるリチウム電池の郵送条件(PDF)|日本郵便

国際郵便では電池と機器の同梱ができない

国内ゆうパックで認められている「電池と機器を同梱」が、国際郵便では認められていません。

機器に取り付けられていない次のリチウム電池は、他の条件を満たすものであっても、郵送できません。・リチウム電池単体 ・リチウム電池を機器に取り付けないで機器と一緒に同封したもの (同梱といいます。)

出典:国際郵便によるリチウム電池の郵送条件(PDF)|日本郵便 送付の条件(詳細)①

国内なら「カメラ本体+予備バッテリー1本」を同じ箱に入れて航空搭載できますが、同じ荷物を海外あてにすると予備バッテリーが理由で差し出せません。国際郵便では、電池は機器に取り付けた状態でなければ通らないと覚えてください。

UGXは条件が別
ここでいう国際郵便は、EMS・国際小包・国際エアパケットなどの郵便です。日本郵便がUGX(ゆうグローバルエクスプレス)として案内している法人向けの国際宅配便は別のサービスで、「機器と同梱して運送する場合および機器に内蔵されまたは組み込まれたものを運送する場合のそれぞれについて、定められた包装基準を満たすものであること」として同梱も対象に含めています(出典:オプションサービス等(UGX)|日本郵便)。本記事の「国際郵便では同梱ができない」は、UGXではなく国際郵便についての条件です。
ボタン形は扱いが別
機器に取り付けられたボタン型のリチウム電池は航空危険物に該当しないため、航空便・船便にかかわらず送付できます。腕時計・炊飯器・デスクトップパソコンなどが例として挙げられています。ボタン電池とは、形状が円形で直径のほうが高さより大きいもの(コイン型電池・マメ電池)を指します。

数量制限は単電池4個・組電池2個

国際郵便には、国内ゆうパックには無い個数制限があります。

電池の種類郵便物1つあたり
単電池(セル)4個まで
組電池
(バッテリー)
2個まで

※国際郵便によるリチウム電池の郵送条件(PDF)の 送付の条件(詳細)③ によります。

PDFが挙げている例では、デジタルカメラ4台や「携帯電話1台とビデオカメラ1台」は送付が認められる一方、デジタルカメラ5台や「携帯電話2台とビデオカメラ1台」は認められません。組電池が入った機器は2台までです。

リチウム電池の引受を制限している国・地域がある

条件をすべて満たしても、あて先の国・地域によっては引き受けられません。日本郵便は取扱国・地域を「万国郵便条約及びその他の規則に基づく禁制品等」の注記に掲載しており、国際郵便条件表(国・地域別情報)|日本郵便で名宛国別の条件を確認できます。

PDFは、取扱可能な国・地域であっても現地の最新の法令により返送等される場合があること、一部の電化製品を郵送できない国・地域があることも注意書きしています。あて先が決まった段階で条件表を引くのが確実です。

 

リチウム電池の英語表記とEMSでの記載例

国際郵便のラベルやインボイスは英語で書きます。「リチウム電池は入っていません」を表す英語は、書く書類によって日本郵便が示している文言が違います。

書く場所日本郵便が示す英語
EMS・国際小包
の内容品欄
Without Lithium
Battery
UGXの運送状
・インボイス
No lithium
battery

※EMS・国際小包は日本郵便の内容品の日英・中英訳の一覧、UGXはオプションサービス等のページによります(2026年9月時点)。

EMSや国際小包の内容品欄で使う日本語「リチウム電池なし」の英訳として、日本郵便は内容品の日英・中英訳、HSコード類の例|日本郵便で「Without Lithium Battery」を挙げています(中国語は「无锂离子电池」)。電池の種類を問わない「電池なし」は「Without Battery」です。

一方、法人向けの国際宅配便であるUGX(ゆうグローバルエクスプレス)は国際郵便とは別のサービスで、文言も別に指定されています。

リチウムイオン電池またはリチウム金属電池を使用する機器のみを送付し、リチウム電池を一緒に送付しない場合は、「No lithium battery(リチウム電池なし)」と運送状およびインボイスにご記入ください。

出典:オプションサービス等(UGX)|日本郵便 リチウム電池

意味はどちらも「リチウム電池は入っていません」です。EMS・国際小包の内容品欄なら Without Lithium Battery、UGXの運送状・インボイスなら No lithium battery と、書く書類に合わせてください。

日本郵便は品名記載欄について「具体的品名のほか航空機による輸送ができないものに該当しないことを確認するため、品名記載欄への追記をいただく場合があります」と案内しています(出典:内容品に航空危険物が含まれている場合、どのように配達されますか?|日本郵便)。内容品の日英・中英訳の一覧ではモバイルバッテリーに「【引受不可】モバイルバッテリー/【Not acceptable】Portable Battery Charger」と付記されているので、電池単体を国際郵便で送れないことは内容品の一覧からも確認できます。国内のゆうパックラベルでも考え方は同じで、日本郵便は品名記載欄の例として「掃除機(リチウム電池なし)」「Wi-Fiルーター(リチウム電池なし)」「携帯型ゲーム機(リチウム電池なし)」を挙げています。

 

条件を満たさないとどうなるか

条件から外れても荷物が突き返されるわけではありません。国内なら陸送に切り替わります。

条件を満たしていない場合および条件を満たしているかが不明な場合は、1日~4日程度配達が遅れることがあります。

出典:リチウム電池をゆうパックで送る際の注意点はありますか?|日本郵便

注目したいのは「条件を満たしているかが不明な場合」も同じ扱いだという点です。品名欄が「電化製品」のように曖昧だと、条件を満たしていても陸送に回されます。急ぎの荷物ほど品名を具体的に書いてください。

もう1つ、申告しないことには罰則が用意されています。

2019年4月1日の商法改正により、ご依頼主様が危険物を無申告で発送された場合、法令違反となり罰則の対象となることがあります(商法第572条)。

出典:内容品に航空危険物が含まれている場合、どのように配達されますか?|日本郵便

注意
外装に危険物ラベル・取扱ラベル・マークが残っている段ボールを再利用するときは、ガムテープや油性マジックで完全に抹消してください。日本郵便が同じページで求めています。
 

リチウム電池の航空搭載でよくある質問

葉書野 ウラ

「リチウム電池の航空搭載」に関するよくある質問と回答です。
 

リチウム電池マークはどこで手に入りますか?

日本郵便はQ&Aページで「リチウム電池マーク(様式)についてはこちらからダウンロードしてください」と案内し、様式をPDFで公開しています。差出人がダウンロードしてカラー印刷し、国連番号と包装基準を記入して貼ります。縮小せずに印刷し、縦10cm×横10cm以上(小さい包装物は縦7cm×横10cm)になっているか確認してください。

 

CR2032のようなボタン電池でもマークは必要ですか?

機器に内蔵されている場合はマークの貼付は不要です。別紙は「スマートウオッチなどに内蔵されているリチウムボタン電池の場合は、リチウム電池マークの貼付は不要ですが、品名欄に『スマートウオッチ(リチウムボタン電池)』などと追記してください」と書いています。電池だけを送る場合は輸送形態が「電池単体」になるため、そもそも航空搭載できません。

 

モバイルバッテリーを航空搭載する方法はありませんか?

ありません。別紙は「リチウム電池単体(モバイルバッテリーチャージャー(携帯式充電器)など)は、航空輸送することはできません」と明記しています。ワット時定格値が20Wh以下でも、梱包が要件を満たしていても変わりません。航空搭載地域あてなら陸送になり、1日~4日程度の遅れが出ます。

 

充電率30%以下という条件は、いつから何に適用されますか?

2025年12月31日以降の引受分から、リチウムイオン電池を機器と同梱する形態に適用されます。機器に組み込んだ状態や、リチウム金属電池には付きません。日本郵便はQ&Aページで「リチウムイオン電池の充電率が定格容量の30%以下であること」の条件が追加されると案内し、取扱いフロー図でも同梱の分岐にこの条件を足しています。

 

クッション封筒に入れて送ってもいいですか?

航空搭載を狙うなら不可です。別紙の包装要件は「十分な強度で頑丈な外装容器に包装してください。(外装箱に梱包されている状態であり、緩衝材で保護された封筒は不可とします)」と書いています。取扱いフロー図でも袋が悪い例として示されています。箱で送り、機器が中で動かないように固定してください。

 

海外に予備バッテリーを送りたいのですが。

国際郵便では送れません。国際郵便の条件は「機器に取り付け又は機器に内蔵されていること」で、リチウム電池単体も、機器に取り付けずに同封した同梱も、他の条件を満たしていても郵送できないと明記されています。国内ゆうパックでは同梱が認められているため、同じ荷物でも国内と国際で結論が逆になります。

 

リチウム電池の航空搭載のまとめ

  • 航空搭載できるのはゆうパックと国際郵便だけ(法人向けのUGXは別条件)。レターパック・スマートレター・ゆうメール・ゆうパケットでは航空輸送できない
  • 規格の上限はリチウムイオンが単電池20Wh・組電池100Wh、リチウム金属が単電池1g・組電池2g
  • 電池単体(モバイルバッテリー)はどうやっても航空搭載できない
  • 国内の同梱は電池の正味量5kg以内・予備電池2セットまで。同梱するリチウムイオン電池だけ充電率が定格容量の30%以下(2025年12月31日引受分から・機器に組み込む場合は対象外)
  • 機器に組み込む場合の条件は電池の正味量5kg以内だけ
  • 梱包は頑丈な外装箱。緩衝材で保護された封筒は不可
  • マークに書くのは国連番号(UN3481/UN3091)と包装基準(PI966/967/969/970)
  • マークは縦10cm×横10cm以上・カラー印刷。旧様式は2026年12月31日まで
  • マークはラベルと同じ面に折り曲げず。台紙表示・2面またがりは不可
  • 国際郵便は同梱が不可、単電池4個・組電池2個まで、引受を制限している国・地域がある
  • 電池を入れないときの表記はEMS・国際小包が Without Lithium Battery、UGXが No lithium battery

葉書野 ウラ

覚えて帰っていただきたいのは「国内で通った荷物が、国際では通らないことがある」点です。予備バッテリーの同梱は、国内ゆうパックなら条件つきでOK、国際郵便ならNG。迷ったら、電池が機器に取り付いているかどうかを最初に確認してください。参考になれば幸いです。

リチウム電池以外の電池の取り扱いについては、下記の記事を参考にしてください。

積み重ねられた単3形アルカリ乾電池 電池はゆうパックで送れる?乾電池・リチウム電池・ボタン電池の郵送を元郵便局員が解説   <関連記事> 国際郵便ラベルの「内容品の詳細な記載」欄に英語で品名を記入した例 国際郵便の内容品(品名)の英語表記一覧|EMS・国際エアパケットの書き方を元郵便局員が解説

この記事を書いた人

葉書野 ウラ元郵便局員

元郵便局員が今までの経験と知識を元に、郵便関連の情報をバカ真面目に解説してます。

得意分野 — 郵便/ゆうパック/レターパック/国際郵便/梱包/切手