元郵便局員が教える!郵便物とゆうパックの適切な受取拒否の方法

この記事では
郵便物とゆうパックの適切な受取拒否の方法について
解説しています。

葉書野 ウラ

郵送物の中には、届けてほしくない営業チラシがたびたびくるこ郵便物とゆうパックの適切な受取拒否の方法を元郵便局員が解説します。

受取拒否とは?

郵便や荷物などの配達物において、明示的に受け取りを拒絶する意思を示して返送してほしい時に利用できる制度で、自分宛ての配達物であれば受取拒否ができます。

郵便の場合は、受取拒否の権利が認められているのは、名あて人(宛名の人物)本人だけなので、同居の家族、同じ会社の人、事業所において退職者宛ての郵便でも他の社員が受取拒否することは原則的にできません。
退職者宛ての郵便であれば、受取拒否ではなく「該当者不在のため、差出人に返送願います」と配達員に伝えてください。

普通郵便は、配達後で未開封なら受取拒否が可能です。
ただし、書留の場合は押印(または署名)をして受け取った後の受取拒否は受け付けられませんので、原則として配達時に「受取拒否」と配達員に伝えてください。

 

受取拒否の方法

普通郵便であれば、「受取拒否」の文字、「受け取りを拒絶した方の印を押印又は署名」を記載したメモ、付せんを貼り付け、配達担当者に渡すか、郵便窓口に持参するか、郵便ポストに投函していただければ差出人さまへ返還されます。

受領印を必要とする場合、受領する前に必ず「受取拒否」を申し出てください。
受領後の受取拒否は、原則として受付できません。

受取拒否ができない郵便物や、受取拒否が認められないケースもありますので、下記を参考にしてください。

 

受取拒否できない配達物

特別送達

受取拒否は誰でもできる制度ですが、「特別送達」だけは原則的に受取拒否を行う事ができません。

正当な理由なく送達を受けることを拒んだ場合には、差置送達(その場に郵便物を差し置くこと)により送達が完了したことになります。

その行為は民事訴訟法106条で認められています。

仮に不在で受け取れない、故意に不在として受け取らない場合は、付郵便送達などで送付されますので、そのまま放置していれば差出人に返還されて終了というわけではないです。

開封された配達物

開封後の受取拒否はできません。
この場合で多い事例として、開封後に他人あての配達物と気づいたケースだと思いますが、故意に開封したのであれば犯罪です。

気づかずに開封してしまった場合、法的には以下の様に記載してあります。

「誤ってその郵便物を開いた者は、これを修補し、かつ、その旨並びに氏名及び住所又は居所を郵便物に表示しなければならない」(42条2項)

配達局に電話し「誤配と気付かず開封しました」と伝えれば担当者が回収しにきます。
バレないと思っても絶対に捨てないでください。犯罪です。

参考

誤配郵便については、下記の記事を参考にしてください。
元郵便局員が教える!誤配達郵便の適切な処理の方法

 

他社の配送物

「これは郵便物ではありません」「○○メール便」といった表示がされているものは、その配送物の運送サービスを行った事業者に連絡してください。
稀に「受取拒否」の付箋をしてポスト投かんされている場合がありますが、日本郵便の配送物でない場合は対応できません。

 

受領後の代引全般

一度お受け取りになった代金引換郵便物等は、郵便局では返品・返金に応じられません。

身に覚えのない代金引換の場合、確認までの間は受け取りを保留できますので、きちんと確認してください。保留による保管期間は1週間です。

代金引換を悪用した「代引詐欺」「送り付け商法」が多数報告されていますので、身に覚えのない荷物は確認がとれるまで保留にしたほうがトラブル防止になります。

参考

送り付け商法については、下記の記事を参考にしてください。
悪質すぎる「代引きの受取拒否」「送り付け商法」によるトラブルまとめ マスクの品薄に便乗した“マスクの送り付け商法”に注意!

受領後に受取拒否ができる場合

下記の条件を全て満たしている場合のみ、受領後であっても受取拒否ができます。

  • 多人数が集合する場所の受付において受領印が押印されて配達されたもの
  • 受領後遅滞なく受取拒否の連絡がある
  • 開封しておらず、封かんに異常がない
  • 配達証明、特別送達、代金引換ではない

※多人数が集合する場所とは?
一般的には、企業、病院、集合住宅で管理人等本人以外が受け取って本人に渡す場合が該当します

 

受取拒否は差出人に伝わります

受取拒否した郵便物がどのような形で発送元へ返還されるのか気になると思いますが、受取人が受取拒否をした事実は発送元に伝わります。

 

ご注意

国が配布するマスク(通称:アベノマスク)の受取拒否を推奨するサイトなどに、当サイトの記事を引用されているケースが多々ありますが、当記事は国が配布するマスクの受取拒否を推奨するものではありません。(2020/4/6 追記)