消印の見方|日付・時間の読み方と種類・押印方法を元郵便局員が解説

封筒に押された四角い「選挙」の印と丸い日付印

本記事にはアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト等)が含まれます。

消印は「通信日付印」の押した跡です。ふだんの郵便物に押される普通日付印には、取り扱った郵便局名・年月日・時間が入っています。 この記事では消印の見方(日付と時間の読み方)、普通日付印と特別日付印の種類、記念押印と引受消印の押印方法、当日の消印にする出し方について、元郵便局員が解説しています。

葉書野 ウラ

消印に押されている数字は、見慣れていないと何を指しているのか読み取りにくいものです。元郵便局員として、消印の見方と種類、押してもらう方法を解説します。種類の定義・押印のルール・当日消印の取扱いは、日本郵便の公式ページ、郵政博物館の研究紀要、総務省が公表した資料に当たり、書かれている文言をそのまま確認しました

消印とは?正式名称は「通信日付印」

消印は「けしいん」と読みます。日本郵便は公式ページで「通信日付印(消印・けしいん)」と表記しており、消印の正式名称は通信日付印です(郵趣のための押印サービス|日本郵便)。読みは「つうしんひづけいん」です(ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典)。旧字体で「通信日附印」と書かれることもあり、郵政博物館の収蔵品も整理番号2301「通信日附印類」として分類されています。

日付印が何のために押されるのかは、郵政博物館の研究紀要が次のように記しています。

日付印は、正式には「通信日付印」という。消印の役目は、切手の再使用を防ぐことと郵便物を取り扱った郵便局がその日時を証明することである。 (郵政博物館 研究紀要 第11号「郵政博物館の日付印類」2020年3月

消印の役目は2つです。1つは切手を使用済みにして再使用を防ぐこと、もう1つはどこの郵便局がいつ取り扱ったかを証明すること。応募や申請で「当日消印有効」と指定されるのは、後者の証明が使われているからです。

消印の見方|郵便局名・日付・時間の読み方

ふだんの郵便物に押される普通日付印に入っているのは、次の3つです。

普通日付印に入っている3つの要素ふだんの郵便物に押される普通日付印を円形の模式図で表した図です。円の内側は2本の横線で3段に分かれ、上段が郵便物を取り扱った郵便局の名前、中段が元号の年・月・日、下段が取り扱った時間帯を表します。図に入れた局名・日付・時間は、郵政博物館の研究紀要が実例として挙げている昭和64年1月7日・丸亀城南の日付印です。 丸亀城南 64.1.7 12-16 ①郵便局名 取り扱った郵便局 ②年月日 元号の年→月→日 ③時間 取り扱った時間帯 ※郵政博物館が挙げる実例(昭和64年1月7日)
①郵便局名取り扱った郵便局の名前
差し出した場所とは限らない
②年月日元号の年→月→日
西暦の下2桁ではない
③時間取り扱った時間帯
「12-16」=12時〜16時

上の図は、この3つを模式的に表したものです。入れた局名・日付・時間は、郵政博物館の研究紀要が実例として挙げている日付印から取りました。同紀要は櫛型印(明治39年から昭和61年3月まで80年使われた代表的な日付印)の雛形を「郵便局名/引受年月日/時間」と記載し、実例として「丸亀城南/64.1.7/12-16」(昭和最終の日)を挙げています。64.1.7は昭和64年1月7日のことで、年が西暦ではなく元号であることがここから読み取れます。

消印の局名は「差し出した郵便局」とは限らない

消印を押すのは、差し出した窓口とは限りません。総務省東北管区行政評価局が2021年6月24日に公表した行政相談の資料は、日本郵便株式会社東北支社の普通郵便物の取扱いを次の3点に整理しています(調査は2020年12月〜2021年1月)。

  • 普通郵便物については、原則として郵便局窓口において消印をしない。
  • 郵便局窓口及び郵便ポストの最終取集時刻を過ぎて差し出された普通郵便物については、翌営業日に取集業務が行われ、地域区分局又は取集業務を行う郵便局に送付され、当該郵便局において消印をする。
  • 郵便局窓口において普通郵便物を差し出された際に、差出し当日の消印を求める申出を受けた場合には、最終取集時刻以降であっても、当該郵便窓口において差出し当日の日付による切手の消印をする。

出典は総務省「郵便局窓口における最終取集時刻後に差し出された普通郵便物の消印日付の取扱いに関するサービスの充実」についてです。窓口に持って行っても、普通郵便物はその場で消印が押されるとは限りません。消印に出てくる局名が知らない郵便局でも、宛先や差出人が間違っているわけではありません。

消印の日付を当日にしたいとき
窓口では「当日の消印でお願いします」と申し出るのが確実です。具体的な出し方は「今日の消印にするには?」で解説します。

消印の種類|普通日付印と特別日付印

日本郵便は消印を次の2種類に大別しています。

通信日付印(消印・けしいん)は、次の2種類に大別されます。 普通日付印:郵便物の取扱い当たって、平常使用する通信日付印 特別日付印:使用局・使用期日または期間・使用方法を特定して使用する通信日付印 (日本郵便「郵趣のための押印サービス」
消印の種類(普通日付印と特別日付印)消印(通信日付印)が2つに分かれる図です。左が普通日付印で、ふだんの郵便物に平常使う日付印。右が特別日付印で、その下に風景印(各地の名所・史跡)、小型印(各地の式事・催物)、特印(国家的・国民的な記念事項)、初日印(切手・はがきの発行)の4種類がぶら下がります。 消印(通信日付印) 普通日付印 ふだんの郵便物に 平常使う日付印 特別日付印 風景印 各地の名所・史跡 小型印 各地の式事・催物 特印 国家的・国民的な記念 初日印 切手・はがきの発行

特別日付印は4種類

特別日付印は次の4種類です。日本郵便の公式ページの説明を、そのまま引用します。

風景印(風景入通信日付印):各地の名所、史跡等にちなみ、関係地の郵便局で使用する通信日付印です。 小型印(小型記念通信日付印):各地の公の式事、催物等にちなんで、関係地の郵便局で特定の期間使用される通信日付印です。 特印(特殊通信日付印):国家的または国民的記念事項等にちなんで特定の期間使用される通信日付印です。 初日印(初日用通信日付印):郵便切手、郵便はがき等の発行にちなんで使用する通信日付印です。 (日本郵便「郵趣のための押印サービス」

4種類のうち風景印だけは期間の限定がありません。日本郵便は風景印について「各郵便局で異なる図柄の通信日付印を通年で使用している」と説明しています。短く整理すると、次のようになります。

風景印各地の名所・史跡にちなむ
関係地の郵便局で通年使用
小型印各地の公の式事・催物にちなむ
関係地の郵便局で期間限定
特印国家的・国民的な記念事項
特定の期間だけ使用
初日印切手・はがきの発行にちなむ
図柄と局は報道発表で公表

「特殊日付印」「小型記念日付印」といった略し方をされることがありますが、日本郵便の公式ページが現在使っている呼称は上の風景印・小型印・特印・初日印で、正式名称はいずれも「〜通信日付印」です。

消印の押印方法|記念押印と引受消印

押してもらい方は「記念押印」と「引受消印」の2つに分かれます。日本郵便は風景印・小型印の申込方法として、次のように記載しています。

押印には、台紙などに切手を貼って押す「記念押印」と、実際に差し出される郵便物に切手を貼って押す「引受消印」があります。 記念押印:一枚の台紙の中に貼付された第二種郵便料金相当額を1単位として、1単位につき1種類の通信日付印で押印 引受消印:1通(個)の郵便物などにつき、1種類の通信日付印で押印 (日本郵便「郵趣のための押印サービス」
記念押印
台紙などに切手を貼って押す
郵便物としては送らない
材質が紙の台紙か郵便はがき
85円以上の切手を貼っておく
ゆうゆう窓口では扱っていない
引受消印
差し出す郵便物の切手に押す
そのまま配達される
宛名と郵便料金分の切手が必要
封書のときは封をして出す

※金額は2026年9月時点です。

ここでいう第二種郵便料金は通常はがきの料金で、2026年9月時点は85円です(国内の料金表(手紙・はがき)|日本郵便)。記念押印を頼むときは、85円以上の切手を貼った台紙か郵便はがきを持って行けば足ります。

申し込みは「窓口」と「郵頼」の2つ

申し込み方法は、押印してほしい日付印を持っている郵便局の窓口へ直接持って行く方法と、郵便で申し込む方法(郵頼)の2つです。郵頼では、切手を貼った台紙または郵便物に加えて、切手を貼った返信用封筒と、押印指示書(希望する日付印の種類・連絡先・押印箇所の指定を書いたメモでも可)を同封して送ります。

郵頼で受け付けていない日付印がある
日本郵便は、和文ハト印・欧文ハト印・機械ハト印・特殊通信日付印(手押し・押印機)初日用通信日付印(手押し・押印機)について「以下の通信日付印の郵頼は行っておりません」と明記しています。特印と初日印を郵頼するときは、切手発行の報道発表で示された取扱郵便局と申込先へ申し込みます。

特印・初日印は使用期間が違う

特印と初日印には「手押し印」と「自動押印機印」の2つの押印方法があり、使える期間が違います

特印(手押し印)
原則、発行日から7日間
特印(自動押印機印)
原則、発行日のみ
初日印
発行日のみ

出典は日本郵便が運営する手紙の書き方体験授業「郵便の豆知識-切手と消印」です。同ページは「使用期間は、特印は『手押し印』が原則、発行日から7日間。『自動押印機印』が原則、発行日のみ。初日印は発行日のみ。」と記載しています。7日間使えるのは特印の手押し印だけで、初日印は発行日を過ぎると押してもらえません。使用する郵便局と使用期間は、切手発行の都度、公表されます。

押印してもらうときのルール

  • 押す位置は、記念押印が3mm〜5mm、引受消印が10mm程度、印面にかかるようにします。
  • 切手への押印は最少回数で行われます。切手1枚ずつに押してほしいときは、風景印なら36mm、小型印なら32mm以上離して貼ります。
  • 日付の指定はできません。日本郵便は「通信日付印の日付の指定はできません。」と明記しています。
  • 押印するのは日本郵便の社員です。自分で押すことはできません
  • 手押し印のため、汚れ・擦れ・ずれが生じることがあり、再押印や補償はありません
  • 1mm単位での位置指定など、技術的に困難な押印は断られます。

今日の消印にするには?当日消印有効のときの出し方

「当日消印有効」の書類を出すときの手順は、日本郵便がよくあるご質問で明確に答えています。

郵便局の窓口にお差し出しいただき、当日の引受消印が必要であることをお申し出ください。 また、郵便ポストに投かん(書留郵便物等は投函できません。)する際は、郵便ポストの「取り集め時刻(目安)」にご注意ください。当日の最終取り集め時刻(時間的余裕をみてください。)を経過していない場合は投函してください。 (最終の取り集め時刻を経過した場合は、翌日の引受消印となります。) (日本郵便 よくあるご質問「当日の引受消印が必要な場合」

大事なのは「当日の引受消印が必要である」と申し出ることです。前に引用した総務省の資料のとおり、申し出がなければ、最終取集時刻を過ぎた普通郵便物の消印は翌営業日の日付になります。締切のある書類は、窓口で一言添えてください。

土曜・日曜・休日でも消印は押される
日本郵便は「土曜日・日曜日・休日でも、通常の業務のうち消印や輸送は行われています。ただし、郵便物(手紙・はがき)の配達は行われていません。」と回答しています(日本郵便 よくあるご質問)。土日でも消印の業務は動いているので、最終取集時刻より前に差し出せば当日の日付で消印されます。

葉書野 ウラ

締切のある書類は、封をしてから窓口へ持って行き、差し出すときに「当日の消印でお願いします」と伝えてください。ポストに入れる場合は、最終取集時刻の何分前かではなく、余裕をみて早めに投かんするのが確実です。

よくある質問

葉書野 ウラ

「消印」に関するよくある質問と回答です。

消印の日付は、差し出した日になりますか?

窓口の最終取集時刻を過ぎると、翌営業日の日付になります。日本郵便は「最終の取り集め時刻を経過した場合は、翌日の引受消印となります。」と案内しています。当日の日付にしたいときは、窓口で当日の引受消印が必要であることを申し出てください。

 

消印の下にある「12-16」のような数字は何ですか?

その郵便物を取り扱った時間帯です。郵政博物館の研究紀要は櫛型印の雛形を「郵便局名/引受年月日/時間」と記載し、実例として「丸亀城南/64.1.7/12-16」を挙げています。12時から16時の間に取り扱われたという意味になります。

 

消印の日付の数字は西暦ですか?

西暦ではありません。元号の年→月→日の順です。郵政博物館が実例に挙げている「丸亀城南/64.1.7」は昭和64年1月7日で、昭和最後の日にあたります。

 

消印の郵便局名が、出した場所と違うのはなぜですか?

消印を押したのがその郵便局だからです。総務省が公表した資料には、最終取集時刻を過ぎて差し出された普通郵便物は「地域区分局又は取集業務を行う郵便局に送付され、当該郵便局において消印をする」と整理されています。差出人や宛先が間違っているわけではありません。

 

土曜・日曜・祝日でも消印は押されますか?

押されます。日本郵便は「土曜日・日曜日・休日でも、通常の業務のうち消印や輸送は行われています。」と回答しています。ただし手紙・はがきの配達は行われていません。

 

消印を自分で押すことはできますか?

できません。日本郵便は「押印は日本郵便の社員が行います。お客さまご自身で押印いただくことはできません。」と明記しています。押印作業のため、社員が窓口から離れて押すこともあります。

 

消印の日付を指定できますか?

できません。日本郵便は窓口申込みの注意点として「通信日付印の日付の指定はできません。」と記載しています。郵頼の場合も「日付の指定は、対応できない場合がございます」とされています。

 

初日印はいつまで押してもらえますか?

発行日のみです。7日間使えるのは特印の手押し印で、初日印は発行日を過ぎると押してもらえません。使用する郵便局と使用期間は、切手発行の都度、公表されます。

 

消印がかすれて読めません。押し直してもらえますか?

押し直しはできません。日本郵便は「手押し印のため、印影に汚れや擦れ、ずれ等が生じる場合がございます。その場合であっても、再押印や補償はいたしかねます」と案内しています。

 

記念押印に使う切手はいくら以上ですか?

第二種郵便料金相当額以上、つまり通常はがきの料金以上です。2026年9月時点の通常はがきは85円なので、85円以上の切手を貼った台紙、または郵便はがきを用意します。

 

消印の見方と種類 まとめ

  • 消印の正式名称は通信日付印。役目は切手の再使用を防ぐことと、取り扱った郵便局とその日時を証明すること。
  • ふだんの郵便物に押される普通日付印に入るのは①郵便局名 ②年月日 ③時間。日付は元号の年→月→日で、西暦ではない。
  • 局名は差し出した場所とは限らない。実際に消印を押した郵便局の名前になる。
  • 消印は普通日付印特別日付印の2種類。特別日付印は風景印・小型印・特印・初日印の4つ。
  • 押印方法は、台紙に押す記念押印と、差し出す郵便物に押す引受消印。申し込みは窓口と郵頼。
  • 記念押印に使う切手は第二種郵便料金相当額以上=2026年9月時点で85円以上
  • 使用期間は特印の手押し印だけが発行日から7日間。特印の自動押印機印と初日印は発行日のみ
  • 日付の指定はできず、自分で押すこともできない。かすれても再押印や補償はない。
  • 当日の消印にしたいときは、窓口で「当日の引受消印が必要」と申し出る。ポストは最終取集時刻より前に投かんする。

葉書野 ウラ

消印は、読み方さえ分かれば「いつ・どこで取り扱われたか」が一目で分かる記録です。締切のある書類だけは、出し方をひとつ変えるだけで結果が変わります。参考になれば幸いです。
配達証明とは?料金・内容証明との違い・送り方を元郵便局員が解説 配達証明とは?料金・内容証明との違い・送り方を元郵便局員が解説

この記事を書いた人

葉書野 ウラ元郵便局員

元郵便局員が今までの経験と知識を元に、郵便関連の情報をバカ真面目に解説してます。

得意分野 — 郵便/ゆうパック/レターパック/国際郵便/梱包/切手