荷物に航空輸送禁止シールが貼られている理由とは?元郵便局員が解説

稀に郵便局から届いた荷物に貼られている事がある「航空輸送禁止シール」。
見慣れたシールではないので、届いた荷物に貼ってあるとビックリされる方もいるかと思います。
しかし、航空輸送禁止シールは、お客様の大切な荷物を届けるために重要な役割を果たしているのです。

今回は、航空輸送禁止シールの役割と貼付される条件について元郵便局員が解説します。
また、航空輸送禁止シールが意図せず貼られてしまうと荷物を届けるまでに時間がかかってしまうため、航空輸送禁止シールが貼られないための注意点についても併せて紹介します。
安全に素早く荷物を届けるために、是非参考にしてくださいね。

航空輸送禁止シールとは?

航空輸送禁止シールとは、その名のとおり航空輸送を禁止し、陸送で届けるように指示するためのシールです。
航空輸送地帯へゆうパックやレターパックなどを送る際に、「危険物や引火する可能性がある荷物」と判断されると郵便局員により貼り付けられます。

航空輸送禁止シールは、下記の画像のようなシールです。

航空輸送禁止シール

航空輸送禁止シールは、配達時や交付時にはがして配達する決まりとなっています。
基本的に荷物に貼り付けられたままお客さまに配達される事はありませんが、ごく稀に配達員のケアレスミスで航空輸送禁止シールが貼り付けられまま配達される事があります。

航空輸送禁止シールは赤く目立つデザインのため、自分の荷物に航空輸送禁止シールが貼られていたらビックリしてしまいますよね。
しかし、航空輸送禁止シールにはきちんとした役割があるのです。

航空輸送禁止シールの役割

航空輸送禁止シールが貼付されている郵便物・荷物は、航空輸送せずに遠方であっても陸送での輸送になります。
危険物や火気によって引火する可能性があるものなどが荷物に含まれていた場合でも安全に荷物を届けるために、重要な役割を果たしているのが航空輸送禁止シールです。
航空輸送禁止シールは品名や外装、X線検査によって内容品を判断し、貼り付けられることがあります。

航空輸送禁止シールが貼付される条件

航空輸送禁止シールが貼付される条件として、下記の理由が挙げられます。

  • 品名
  • 外装
  • X線検査

ここからは航空輸送禁止シールが貼られてしまう条件を1つずつ紹介していきます。
意図しない航空輸送禁止シールが貼られてしまわないよう、参考にしてくださいね。

航空輸送禁止シールが貼付される条件①品名

内容品を判断する際に、品名は非常に重要です。
品名が曖昧だと航空輸送できなくなってしまうので、航空輸送禁止シールが貼付される可能性が極めて高いです。
品名に「等」「他」があるだけで航空輸送禁止シールが貼付されてしまい、危険物や引火する可能性がある内容品でなくても航空輸送されずに陸送に変更されてしまうので、
通常の発送よりも荷物を届けるまでに時間がかかってしまうこともあります。

航空輸送でも安全に届けられる内容品の場合は、品名を明確に記載して航空輸送禁止シールが貼られないようにしましょう。

参考

品名の重要性については、以下の記事を参考にしてください。
ゆうパックを早く届けるには品名が大事!元郵便局員が教える正しい品名の書き方

 

航空輸送禁止シールが貼付される条件②外装

品名にきちんと内容品を記載しても、外装により航空輸送禁止シールが貼付される事があります。
箱に航空輸送禁止に該当する商品のイラストや、危険物を表示するマーク、「火気厳禁」などの文言があると航空輸送禁止シールが貼付されてしまいます。

内容品が航空輸送をする必要のないものの場合、外装にそのようなイラストやマークなどがないか確認してから送るようにしましょう。
もし外装にそのようなイラストやマークがある場合はガムテープなどで隠してから送るようにして、意図しない航空輸送禁止シールが貼られないようにするのがおすすめです。

参考

外装については、下記の記事を参考にしてください。
そのリサイクルダンボールは大丈夫?箱の外装にある「危険物ラベル」「マーキング」の一覧と外装トラブルの対処方法を元郵便局員が解説します。

 

航空輸送禁止シールが貼付される条件③X線検査

荷物を送る際、X線を使用して内容品の検査を行います。
内容品・外装に問題がなくても、X線検査で航空輸送禁止に該当する内容品がある場合、航空輸送禁止シールが貼付されます。
たとえばアルコールが含まれる化粧品や液体接着剤なども、X線検査によって航空輸送禁止シールが貼られてしまうことがあります。

航空輸送禁止シールが貼付されない場合

航空輸送禁止シールは、航空輸送地帯あてに送る場合のみ貼付されますので、近隣に荷物を送る場合は貼付される事はありません。
品名が曖昧だったり外装に「火気厳禁」「取り扱い注意」などの記載があったとしても、そもそも航空輸送する距離ではないので航空輸送シールを貼る必要がないのです。
陸送で届けられる距離の場合は安心してくださいね。

参考

各都道府県別の航空輸送地域については、下記の記事を参考にしてください。
都道府県別の航空搭載地域一覧表(ゆうパック)

補足
サービスレベルを遵守しますので、日付指定がある場合は電話などで内容品を確認し、了承を得た上で局員が品名を訂正・修正する事があります。

航空輸送禁止シールに関するよくある質問と回答

ここからは、航空輸送禁止シールに関するよくある質問を元郵便局員が回答していきます。


航空輸送禁止シールは、郵便局で貰う・購入する事はできますか?

できません。
航空輸送禁止シールは局員が確認の上で貼付しますので、原則的には窓口などで貰う・購入する事はできないようになっています。

 

コンビニなどでも航空輸送禁止シールを貼ってくれますか?

コンビニなどの取扱店には、航空輸送禁止シールが置いてありません。
コンビニで発送した場合、局員がコンビニで集荷後に必要に応じて貼付しますので、コンビニで航空輸送禁止シールの貼り付けを希望しても貼り付けしてもらえません。

 

レターパックにも航空輸送禁止シールを貼ったりしますか?

はい、必要であれば貼付します。

 

航空輸送禁止シールを手作りしても大丈夫ですか?

箱にそのまま印字されていたり明らかに手作りされているのを見た事はありますが、最寄りの集配郵便局にて確認されるのをおすすめします。

 

まとめ

今回は、航空輸送禁止シールが貼られる条件や航空輸送禁止シールの役割について徹底解説しました。
原則、航空輸送禁止シールが貼られたまま荷物が届くことはないですが、まれに郵便局員の剥がし忘れで航空輸送禁止シールが貼られたまま荷物が届いてしまうことがあります。
赤くて目立つシールなので、貼られているのを見ると驚いてしまいますよね。

しかし、今回の記事で紹介したように、航空輸送禁止シールはお客様の荷物を安全に届けるための重要な役割を果たしています。
もし航空輸送禁止シールを見かけたら、「大事な役割があるんだな」と思っていただけると幸いです。

 

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元郵便局員が教える!海外に送る前にチェックすべき航空危険物一覧