元郵便局員が教える!危険物の国際輸送における特別規定と記号一覧

特別規定とは?

特別規定(Special Provisions)が適用される貨物は、危険物申告が不要となります。
特別規定が適用される場合は、IATA/DGR(8.2.6)の規則に基づき MAWB にNot restricted, as perSpecial Provision Axxxと記入する必要があります。
※MAWB=航空会社が発行する航空貨物の受取証

「Not restricted, as perSpecial Provision Axxx」の「Axxx」の部分は特別規定の記号といい、内容品により記載する記号が異なりますので、特別規定の記号の種類と意味について解説します。
※A=AIRの意味です


特別規定の記号一覧


  • A151
  • 炭酸ガスを換気する措置がとられているコンテナ又はパレットに搭載された生鮮食料品等を冷却するために使用するものは、許容質量の規定は適用しない。ただし、搭載されているコンテナ又はパレットが運航者により識別されていなければならない。

  • A152
  • 冷却液体窒素を含有する断熱容器であつて、次に掲げる条件を満たすものは、輸送禁止物件に含まれないものとする。ただし、輸送の書類には、この規定により輸送する旨記載しなくてはならない。
    1)冷却液体窒素が完全に多孔性物質に吸収されていること。
    2)内容物が輸送禁止物件及び輸送許容物件以外の物件であり、低温で輸送すること。
    3)断熱容器(備考3に定める「202」の要件を満たすものに限る。)がコンテナ内等の圧力を増加させないよう、かつ、天地の姿勢に関係なく冷却液体窒素が漏れないように設計されていること。

  • A154
  • 膨張、破損等による損傷が外見上明らかなもの又は熱、火気若しくは短絡により危険な状態に進展するおそれがあるため製造者により通常の使用に適さないと判断されたものは、輸送を禁止する。

  • A155
  • 硝酸マグネシウム(六水和物)は輸送禁止物件に含まれないものとする。

  • A156
  • 揮発性の程度にかかわらず、当該品名を使用しなくてはならない。

  • A157
  • 活性剤を含有する場合は、混合しないように2つ以上の防止措置をとらなくてはならない。

  • A158
  • 輸送禁止物件に含まれない固体の物件と環境有害物質の混合物は国連番号3077で輸送しなくてはならない。小型容器又は物品であつて、10ml未満の環境有害物質を液体を吸収し遊離液体がない密閉されたもの、又は10g未満の環境有害物質の固体を含む密閉されたものは、輸送禁止物件に含まれないものとする。

  • A161
  • 1)55℃において内容物の平衡圧の2倍以上の圧力において、漏えい又は破裂しないものであること。
    2)55℃において、蒸気圧1000kPaを超えない200ml以上の引火性液体を含まないものであること。
    3)湯浴試験に合格したものであること。

  • A162
  • 1)当該物件は、容量を120ml以下にしなくてはならない。圧力は、55℃において5000kPaを超えてはならない。型式は、55℃において2倍の圧力、又は55℃において内部圧力より200kPa以上の大きい圧力のいずれか大きい値であつて、漏えい又は破裂しないものであること。また、製造者の定めた手順に従って充てんされたものでなくてはならない。
    2)燃料電池と一体となったものを含め、各設計型式の燃料電池用カートリッジは、以下の試験に合格したものでなくてはならない。
    ア)落下試験
    (1)1.8mの高さから硬い表面に落下試験を行う。
     a)垂直に閉鎖弁組立部品を含む側
     b)垂直に閉鎖弁組立部品を含む側の相対する側
     c)45度の角度で閉鎖弁組立部品を含む側
    (2)1.8mの高さから水平に上向きになっている直径38mmの鋼製先端に向けて行う。
    燃料電池用カートリッジが定格充てん圧力まで充てんされた場合漏えいがあつてはならず、引き続き燃料電池用カートリッジが破裂するまで圧力を加えなくてはならない。その際記録される圧力は最低容器破裂圧力の85%を超えること。
    イ)火炎包囲試験
    定格容量まで水素を充てんした燃料電池用カートリッジは、

  • A163
  • 当該物件に収納された輸送許容物件であつて、それぞれの内容物に適用される微量輸送許容物件の量的制限を超えていない場合は、微量輸送許容物件として輸送することができる。また、当該物件に収納される有機過酸化物は微量輸送許容物件として輸送することができる。

  • A164
  • 危険な熱を発生させるおそれのある電池又は電池を動力とする装置、機器及び車両は、短絡及び不測の作動を防止する措置をとらなくてはならない。

  • A165
  • 国連試験基準マニュアルの試験によって、作動した場合に包装物の外に危険な影響が生じないものであることが実証されていなければならない。

  • A166
  • 当該物件は、硫化水素による吸入毒性を有する。

  • A169
  • アンモニウム塩と次亜塩素酸塩類の混合物は、輸送を禁止する。

  • A170
  • 臭素酸塩類とアンモニウム塩の混合物、臭素酸アンモニウム及び臭素酸アンモニウム水溶液は、輸送を禁止する。

  • A171
  • 塩素酸塩類とアンモニウム塩の混合物、塩素酸アンモニウム及び塩素酸アンモニウム水溶液は、輸送を禁止する。

  • A172
  • 亜塩素酸塩類とアンモニウム塩の混合物、亜塩素酸アンモニウム及び亜塩素酸アンモニウム水溶液は、輸送を禁止する。

  • A173
  • 過マンガン酸塩類とアンモニウム塩の混合物、過マンガン酸アンモニウム、過マンガン酸アンモニウム水溶液は、輸送を禁止する。

  • A175
  • 火薬により作動するものは、一台当たりの火薬(区分番号が1.4であって、隔離区分がC又はSのものに限る。)の総量が3.2g以下のものに限る。また、不測の作動を防止する措置をとらなくてはならない。

  • A176
  • 車両、船舶、航空機若しくはそれらの部品に内蔵された、又は車両、船舶若しくは航空機に内蔵される水素吸蔵合金システムの輸送は、国土交通大臣の輸送承認を要する。

  • A177
  • 吸入毒性を有する硫化水素を含む場合は、原油(引火性かつ毒性のもの)として輸送すること。

  • A180
  • 病毒を移さない動物の標本であって、国連番号が1170、1198、1987又は1219の物件を含んだもののうち、次に掲げる基準を満たすものは、輸送禁止物件に含まれないものとする。ただし、輸送の書類には、この規定により輸送する旨記載しなくてはならない。
    1)標本は、アルコール類又はその溶液で湿らせた紙又はガーゼ等の布で覆われて熱密閉式のプラスチック袋(30mlを超える液体を含まないものに限る。)に収納されているか、30ml以下のアルコール類又はその溶液の入った小瓶又は強固な容器に収納されていること。
    2)の包装物が熱密閉式のプラスチック袋に収納されていること。
    3)の包装物が別のプラスチック袋に吸収材と収納され、熱密閉がされていること。
    4)の包装物が袋に収納された上で、強固な外装容器に十分な量の緩衝材とともに収納されていること。
    5)外装容器内の引火性液体は、1リットルを超えてはならない。
    6)包装物の表面に本規定に従った科学研究用標本を意味する文字を表示すること

  • A181
  • リチウム電池が内蔵された装置とともに他のリチウム電池を包装する場合は、包装物の表面にリチウムイオン電池(装置とともに包装されたもの)又はリチウム金属電池(装置とともに包装されたもの)に係る表示を行うこと。また、包装物にリチウム金属電池及びリチウムイオン電池が収納されている場合は、包装物の表面にリチウム金属電池及びリチウムイオン電池に係る両方の表示を行うこと。ただし、装置(回路基板を含む。)に内蔵されたボタン電池については、この限りでない。

  • A182
  • リチウム電池のみを動力源とする場合は、国連番号が3091又は3481の物件として輸送すること。

  • A183
  • 廃電池の輸送及び電池の再生又は処分のための輸送は禁止される。

  • A184
  • 当該物件は、化学反応を起こさないよう乾燥状態で輸送すること。

  • A185
  • リチウム電池のみを動力源とする車両は、国連番号が3171の物件として輸送すること。

  • A186
  • 1)当該物件は、エネルギー貯蔵容量(定格電圧と静電容量を用いて計算される当該物件に蓄えられる電力量をいう。以下同じ。)が0.3Whを超えるものに限り、次の基準に従い輸送すること。
    ア)充電されていない状態で輸送すること。ただし、装置に内蔵されていて、短絡を防止する措置を講じたものはこの限りでない。
    イ)当該物件は次に掲げる方法により短絡を防止する措置を講じること。
     a)一の当該物件のエネルギー貯蔵容量が10Wh以下の場合は、当該物件の短絡を適切な方法により防止するか又は端子間を金属で接続すること。
     b)一の当該物件のエネルギー貯蔵容量が10Whを超える場合は、当該物件の端子間を金属で接続すること。
    ウ)95kPaの圧力に、漏えいなく耐え得ること。
    エ)内部圧力を開放するように組み立てられていること。なお、開放とともに放出される液体は、容器又は当該物件により飛散が防止されていること。
    オ)当該物件の外表面上にエネルギー貯蔵容量(単位はWh)が表示されていること。
    2)エネルギー貯蔵容量が10Wh以下で、かつ、当該物件を1.2mの高さから硬い水平面に落下させた場合に漏えい又は輸送の安全性を損なうおそれのあるもの。

  • A187
  • 1)加圧された物質が引火性のものである場合は、区分番号を2.1として割り当てること。なお、当該物質が液体であって、引火点が93℃以下である場合であっても当該区分番号を割り当てること。
    2)加圧のために使用される高圧ガスは、区分番号が2.3又は副次危険性の区分番号が5.1のものであってはならない。
    3)加圧された物質が、区分番号が6.1又は分類番号が8であって、等級が2又は3の輸送許容物件である場合は副次危険性を当該分類番号に割り当て輸送すること。ただし、等級が1の当該輸送許容物件は、当該品名で輸送してはならない。

  • A188
  • ニトログリセリンの濃度が1質量%を超え5質量%以下である場合で、かつ、包装基準371の要件を満たしていない場合にあっては、輸送を禁止する。

  • A189
  • 1)当該物件の濃度が10質量%以上25質量%未満であるものは、国連番号が3334の物件として輸送すること。
    2)当該物件の濃度が10質量%未満である場合にあっては、輸送禁止物件に含まれないものとする。

  • A190
  • 三フッ化ホウ素ガスを内蔵する中性子線探知機は、次に掲げる条件を満たす場合に限り、「A2の規定を適用せず旅客機以外の航空機により輸送することができる。ただし、当該物件に内蔵されるガスの収納量が1g以下であって、はんだ付けにより封入されている場合にあっては、輸送禁止物件に含まれないものとし、輸送の書類には、この規定により輸送する旨記載しなくてはならない。
    1)当該物件の内部圧力は20℃において105kPaを超えてはならない。
    2)当該物件に内蔵されるガスの収納量は一の探知機において12.8gを超えてはならず、一の外装容器及び探知機を内蔵する装置における最大正味量は51.2gを超えてはならない。
    3)当該物件は、セラミック材に金属をろう付けした構造であり、破裂強度は1800kPa以上でなければならない。
    4)内蔵されているガスが十分吸収できる量の吸収材を詰め、プラスチック製の内張りがされた中間容器に収納し、外装容器は1.8mの高さから落下させても収納物の漏えい又は輸送の安全性を損なうおそれのある損傷を起こさないものでなければならない。また、探知機を内蔵する装置にあっても、当該ガスが十分吸収できる量により吸収材を適切な内張りがされていること。

  • A191
  • 当該物件に含まれる水銀が5kg以下の場合にあっては、副次危険性を表すラベルMの貼付は要しない。ただし、輸送の書類には、この規定により輸送する旨記載しなくてはならない。


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